2022/11/25
「住宅診断」を数多く実施して
不具合事象の原因追求をして来たから分かる
施工未済や施工不良 そして自然の力など
インスペクターから見た住宅設計とは・・・
「泣き寝入り」や「後悔」しない為に
住宅プラン作成の応援をして行きます!
今回は、<木造住宅には「気流止め」は必須ですよ!>についてお話をします。
今日のお話は
床下断熱欠損リカバリー補修をするにしても
外壁・間仕切壁の「気流止め」が大変重要ですよ!
と言うお話をします。
最初に
下記資料①を見て下さい。
上記資料①は
床断熱工法で木造在来軸組住宅の
床下から壁に入る「気流」の流れ方を示しています。
上記の「気流」の流れを考えながら
土台(2階胴差)と厚床合板との取合い部分が
実際にどの様になっているかの写真が
下記写真①になります。
上記写真①は
2階胴差と厚床合板の取合い部分の写真です。
一見すると
「気流」が通る(走る)様には見えませんが
赤丸部分の矢印の先を見て下さい。
間柱廻りに何ミリかのすき間が開いています。
このすき間は
間柱や柱廻りの全箇所に同じ様にすき間が開いています。
何が言いたいのか?もうお分かりですね!
このすき間を塞がなければ
床下からの外気が
2階の天井裏迄入ってしまいます!
なので
「気流」を壁の中を走らせない為に
先ずやるべき施工としては
高断熱・高気密住宅に限らず
上記写真①のすき間を塞ぐ事が重要になります。
下記資料②を見て下さい。
フラット35の木造住宅工事仕様書から借用した資料です。
上記資料②の
(A)・(B)・(C)は外壁部分の納まり図です。
この場合は
外壁の防火構造の絡みが有りますので
室内側PBは梁(胴差)まで張り上げていますので
上記写真①の部分の
すき間を塞いでいれば
小屋裏まで外気が走る事は考え難いですね!
間仕切壁の場合は
上記資料②の
(D)の様に「気流止め」が必要になります。
「気流止め」の施工方法は
断熱材をUの字にして間柱に差し込む方法も有ります。
如何でしたか?
今日の纏めとして
高断熱・高気密住宅ではない
新築分譲住宅や注文住宅の場合は
上記写真①の
すき間を塞ぐ処理はされていませんが
袋入りのグラスウールなどの防湿フィルムを
キチンと施工していれば
床下からの外気が
室内に入りにくいと考えますが
場合によっては
コンセントやスイッチ廻りから
床下の外気が室内に
入って来る可能性が考えられます。
これを塞ぐ方法として
コンセントカバーを設置する方法が有りますが
このお話は何時かしようと思います。
間仕切壁の場合は
壁に断熱材が入っていないので
柱や間柱の足元のすき間から
外気がス~ス~と入って来ます。
これを塞ぐ方法は
既に室内が仕上がっていますので
室内からすき間を塞ぐ事が出来ません。
床下の外気を
室内に入らない様にする為には
床下から
一液性の発泡ウレタンかコーキング打ちか
又は気密テープ貼りを施工する方法で
「気流」をほぼ止められます。
注文住宅を建てられる方は
高断熱・高気密住宅に関わらず
柱や間柱の足元のすき間を塞ぐ事と
間柱上部の「気流止め」は
必ず施工して貰って下さいね!
そうすれば
床下断熱欠損リカバリー補修が
楽になりますからね!
という事で
今日のお話は
「気流止め」施工は必須ですよ!
と言うお話でした。
参考になりましたでしょうか?
今回は、これで終わります。
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「Y&Y住宅検査」が お客様に提供させて頂く住宅診断とは、
ただ単に不適合事象の有無を調査するのではなく、
もし不適合事象が有れば、
その原因をより詳しく目視の範囲内で追及し、
不同沈下などの傾きが有れば、
建物全体の傾きなどの傾斜傾向を図面にて表現する事で、
より分かり易く建物の現況を報告書に纏め、
お客様が、安心・納得して購入する事が出来る様に
説明するサービスを提供させて頂いています。
ここでの「安心・納得」とはどの様な意味なのかと言いますと、
安心とは、不具合事象が無い事で安心。
納得とは、不具合事象が事前に分かる事で納得。
住宅診断とは、この二つを得る為の手段だと考えています。
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