2022/12/28
「住宅診断」を数多く実施して
不具合事象の原因追求をして来たから分かる
施工未済や施工不良 そして自然の力など
インスペクターから見た住宅設計とは・・・
「泣き寝入り」や「後悔」しない為に
住宅プラン作成の応援をして行きます!
今回は、<買取再販業者が販売する既存住宅の実態事例!>についてお話をします。
今日のお話は
築40年以上の
新耐震基準以前の建物のお話をします。
既に契約を済ませた既存住宅の
「住宅診断」を依頼を受けました。
この既存住宅は
既存住宅瑕疵保険を付保させる為に
耐震診断を実施して
耐震補強工事を済ませた建物です。
依頼者の説明では
耐震補強工事を実施して
更に
既存住宅瑕疵保険が付保される建物だから
築年数が古くても
安心して契約をされたそうです。
だから
「住宅診断」の依頼は
本当に念の為なんですとの事でした!
この建物の
「住宅診断」を実施した結果
大きな不具合箇所を挙げてみます。
最初に
外部廻りから行くと
下記写真①が目に止まりました。
上記写真①は
勝手口を取り替えたのでしょうが
勝手口ドア枠を取付けた
下地が見えたままになっています。
床下に入っての調査では
下記写真②~⑦の様な
ビックリする不具合事象が出て来ました。
上記写真②は
3.0㎜以上の基礎のひび割れです。
上記写真③は
部分的にですが10㎝以上の地盤陥没です。
上記写真④は
床下換気口の木下地?なのか分からない
コンクリート(モルタル)の爆裂です。
上記写真⑤は
硫酸塩の土壌が原因と思われる
「針状結晶」による束石の劣化(ひび割れ)。
上記写真⑥は
小屋裏の天井断熱の状況です。
天井に断熱材が入っていません。
これは
何を意味しているかと言うと
この建物の新築当時の断熱仕様のままという事です。
今の建物と比べたら
広範囲の断熱欠損となり
光熱費がとても高くなると思われます。
上記写真⑦は
和室掃出しの内障子の鴨居が下がっていて
内障子が開けられない状況です。
更に
1階LDKの床傾斜の一部が
6/1000以上の箇所が有り
2階和室の外壁部分の柱も
6/1000以上傾斜していました。
不具合事象を挙げれば
まだまだ沢山上げられる建物でした。
依頼者は
「住宅診断」の報告書の内容に
ビックリされていました!
今日の纏めとして
これが
買取再販業者の
既存住宅の実態です!
買取再販業者の謳い文句には
耐震補強工事をしている建物で
既存住宅瑕疵保険が付保出来る建物ですよ!
という事を前面に販売しています。
この言葉を
鵜呑みにして契約したら
「泣き寝入り」ですからね!
という事で
今日のお話は
買取再販業者のキレイにリフォームされた
既存住宅の一つの事例のお話でした。
今回は、これで終わります。
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「Y&Y住宅検査」が お客様に提供させて頂く住宅診断とは、
ただ単に不具合事象の有無を調査するのではなく、
もし不具合事象が有れば、
その原因をより詳しく目視の範囲内で追及し、
不同沈下などの傾きが有れば、
建物全体の傾きなどの傾斜傾向を図面にて表現する事で、
より分かり易く建物の現況を報告書に纏め、
お客様が、安心・納得して購入する事が出来る様に
説明するサービスを提供させて頂いています。
ここでの「安心・納得」とはどの様な意味なのかと言いますと、
安心とは、不具合事象が無い事で安心。
納得とは、不具合事象が事前に分かる事で納得。
住宅診断とは、この二つを得る為の手段だと考えています。
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