2023/01/11
「住宅診断」を数多く実施して
不具合事象の原因追求をして来たから分かる
施工未済や施工不良 そして自然の力など
インスペクターから見た住宅設計とは・・・
「泣き寝入り」や「後悔」しない為に
住宅プラン作成の応援をして行きます!
今回は、<新築分譲住宅を購入するのであれば③として!>についてお話をします。
今日のお話も前回に続き
「新築分譲住宅」を購入する時に
考えて欲しい事についてお話をします。
今日は
「耐震性能」の中の一部
「直下率」についてお話です。
最初に
下記1、2階間取り図を見て下さい。
と言っても
耐力壁計算用の間取り図だから分かりづらいかな?
新築分譲住宅として考えた場合
大変使い勝手も良さそうで
まとまったプランだと思います。
「住宅診断」の依頼者から
頂いた確認申請図面を基にして
仕様規定(壁量計算など)を計算してみました。
偏心率や重心率も
そんなに悪くなく
分譲住宅としては
大変良い部類に入ると思います。
熊本地震以前であれば
「直下率」に関してはそれほど関心がなかったので
ただ単純に
良い間取りだなぁ~って
終わっていたと思います。
しかし熊本地震で
耐震等級2の建物が倒壊した件が話題になり
何故倒壊したのか?
倒壊した原因の調査結果は
柱と耐力壁の「直下率」が
大変低かった事が分かったのです!
この事から
国土交通省が建築基準法の改正案で
「直下率の数値」を決めるのかと思っていましたが
音沙汰無しでした。(笑)
その為に
統一した数値は無く
色々な団体?などが
各自で「直下率の数値」を決めているのが現況です。
そこで
Y&Y設計事務所もプランをする時の
「直下率」の目標数値を下記の様に決めています。
■柱の直下率が60%以上
■耐力壁の直下率が50%以上
上記数値プラス
「構造区画」も検討する事にしています。
なので
新築分譲住宅の「住宅診断」を実施する前に
「直下率」と「構造区画」を事前チェックしますので
今回も
上記間取り図の「直下率」を計算してみました。
計算結果が
下記直下率表になりました!
上記直下率表から
柱の直下率は39.66%で
耐力壁の直下率が47.06%でした。
Y&Y設計事務所が考えている
「直下率」の目標数値が
柱の直下率が60%以上
耐力壁の直下率が50%以上としていますので
それと比較してみると
柱の直下率が20%くらい低い事が分かりました。
この事から
このプランを考えられた建築士の方は
「直下率」に対しての認識がまだ無いのでしょうね!
で「構造区画」を考えてみると
2階の子供室3とウォークインクローゼットと寝室の
間仕切り壁あたりが大変厳しいかな?って考えます。
ホンの少し
極端に間取りを変えずに
455の小壁をつけて柱を入れるだけで
全然
構造的に安定するのですがね・・・・。
まぁ
この「直下率」と「構造区画」の考え方を取り入れた
新築分譲住宅の設計をされる設計事務所は
残念ながら
他に広島市内に有るのかな?
今日の纏めとして
大きな地震が発生する確率が
大変高くなって来ていますので
新築分譲住宅を契約する前に
「直下率の数値」を確認する事は必須ですよ!
と言う事で
今日のお話は
「耐震性能」の一部「直下率」のお話でしたが
参考になったでしょうか?
今回は、これで終わります。
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「Y&Y住宅検査」が お客様に提供させて頂く住宅診断とは、
ただ単に不具合事象の有無を調査するのではなく、
もし不具合事象が有れば、
その原因をより詳しく目視の範囲内で追及し、
不同沈下などの傾きが有れば、
建物全体の傾きなどの傾斜傾向を図面にて表現する事で、
より分かり易く建物の現況を報告書に纏め、
お客様が、安心・納得して購入する事が出来る様に
説明するサービスを提供させて頂いています。
ここでの「安心・納得」とはどの様な意味なのかと言いますと、
安心とは、不具合事象が無い事で安心。
納得とは、不具合事象が事前に分かる事で納得。
住宅診断とは、この二つを得る為の手段だと考えています。
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