2023/03/29
「住宅診断」を数多く実施して
不具合事象の原因追求をして来たから分かる
施工未済や施工不良 そして自然の力など
インスペクターから見た住宅設計とは・・・
「泣き寝入り」や「後悔」しない為に
住宅プラン作成の応援をして行きます!
今回は、<低勾配屋根の新築分譲住宅は要注意ですよ!>についてお話をします。
今日のお話は
屋根の低勾配は困ってしまうお話です。
低勾配と言うのは
一般的には
3寸勾配以下の傾斜が低い事を「緩勾配」と言うそうです。
「住宅診断」を実施していて
3寸勾配以下の屋根の場合は
天井点検口の位置が
棟の高い方に設置していれば
何とか小屋裏に侵入して調査が出来ますが
殆どが
小屋裏に入れない場所に設置しています。
なので
天井点検口から覗く範囲でしか調査が出来ません。
問題なのは
小屋裏で不具合が発生した場合は
どの様に対応するのだろうか?
と常々思っています。
例えば
下記写真①~③を見て下さい。
上記写真の
屋根勾配は1寸勾配です。
点検口が一番棟が高い所に設置してあっても
写真に写っている奥の方迄は
天井断熱材がキチンと入っているかどうか?
または
雨漏り等の有無をチェックする為に野地板を
調査する事も出来ません。
低勾配屋根のデメリットは
①雨漏り事故が有った場合は
人が侵入出来ないので
小屋裏に入って不具合箇所を確認する事が出来ませんし
補修する事も出来ません。
補修する為には
天井を剥がさないと出来ませんので
補修費用が高く付きます。
②小屋裏の気積(体積)が少ない為
屋根に吸収された外気温が小屋裏内を通って
室内に伝わりやすい為に
天井断熱材を
普通の厚さ以上にされた方が良いですね!
それと
小屋裏換気計画に少しでも不備が有れば
結露が発生し易くなります。
低勾配屋根のメリットは
工事費用が少し安くなる位ですね!
では何故
この様な低勾配屋根を設計するのか?
一つは
工事費を安くする為!
二つ目は
建築基準法の斜線制限がかかる場合です。
特に
南北に狭い敷地の分譲地で
第一種低層住居専用地域の場合は
北側斜線制限が有ります。
その敷地で
太陽光発電設備を搭載する
住宅を計画する場合は
どうしても
南面側屋根面を広く取りたいので
段屋根にして
北側斜線制限を
クリアさせる手法を考えます。
太陽光発電の
発電効率を考えた場合は
4寸勾配屋根にしたいのですが
どうしても
北側斜線制限に
引っ掛かってしまうのです。
仕方なく
太陽光発電の多く載せる為に
低勾配の屋根で
設計せざるを得ない場合が有りますね。
それ以外は
4寸勾配以上で設計しませんか?
今日の纏めとして
低勾配屋根を計画する場合は
天井点検口を
各室一か所は設置するか
又は
天井点検口廻りの
小屋裏側に一坪位の広さで
一旦
人が這い上がれる合板を設置し
その合板の上に
2mの歩み板が2枚用意していれば
何か
不具合が発生しても
それなりに
対応出来るのではないかと考えますので
お勧めします!
という事で
今日のお話は参考になったでしょうか?
毎日ブログを更新していますので
住宅の購入を考えている人は
他のブログも見て下さいね!
今回は、これで終わります。
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「Y&Y住宅検査」が お客様に提供させて頂く住宅診断とは、
ただ単に不具合事象の有無を調査するのではなく、
もし不具合事象が有れば、
その原因をより詳しく目視の範囲内で追及し、
不同沈下などの傾きが有れば、
建物全体の傾きなどの傾斜傾向を図面にて表現する事で、
より分かり易く建物の現況を報告書に纏め、
お客様が、安心・納得して購入する事が出来る様に
説明するサービスを提供させて頂いています。
ここでの「安心・納得」とはどの様な意味なのかと言いますと、
安心とは、不具合事象が無い事で安心。
納得とは、不具合事象が事前に分かる事で納得。
住宅診断とは、この二つを得る為の手段だと考えています。
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