2023/08/07
「住宅診断」を数多く実施して
不具合事象の原因追求をして来たから分かる
施工未済や施工不良 そして自然の力など
インスペクターから見た住宅設計とは・・・
「泣き寝入り」や「後悔」しない為に
住宅プラン作成の応援をして行きます!
今回は、<バルコニー下の居室側断熱材設置方法として!>についてお話をします。
今日のお話は
中間検査に行った時に
気になった箇所のお話です。
下記写真①は
バルコニー床下の
居室側へ断熱材を入れている写真です。
上記写真①は
2階厚床合板の下側に
壁・天井用のロックウール断熱材を
タッカー留めしています。
この写真を見て気になりませんか?
最初に気になった事は
ロックウール断熱材の施工方法です。
バルコニー直下の断熱材は
屋根断熱材の考え方になります。
屋根断熱材の工法であれば
屋根側(バルコニー側に)通気層が有るのか?
バルコニー床の勾配を作る為に
厚床合板(24㎜)の上に空間が有りますが
通気層と考えた場合は
空気の入口と出口を作って
空気が流れる様にしなければなりません。
この現場の場合は
出来ている様には見えませんでした。
もう一つは
屋根タルキ間の
タルキ見付面に防湿フィルムの耳部分を留め付ける
基本的な留め方が出来ていない。
これは完全にNGですね!
下記写真②が
もう一つ気になった箇所の
バルコニー手摺の壁取合い部分の
防水役物の設置の仕方です。
下記資料①が
基本的な壁取合い部の施工方法と考えています。
上記写真②は
防水役物を取付ける順番が
外壁の透湿防水シートを張った後になっています。
上記資料①は
防水役物を設置した後に
透湿防水シートを上から被せています。
この違いが分りますでしょうか?
上記資料①の方が
二重に雨水浸入を防ぐので
こちらをお勧めしています。
上記写真②の方は
城東テクノの施工動画で説明している施工で
上記資料①の方は
フクビの施工動画で説明している施工方法です。
ただし
城東テクノの場合はフクビの様に
後から透湿防水シートを被せる場合の
文字による説明は有りました。
今日の纏めとして
上記写真①の
バルコニー下の居室側の
断熱材の入れ方は完全にNGです。
何故この様な結果になったのか?
私なりに考えて見ました。
確認申請図面の矩計図に
屋根(バルコニー)断熱材の所に
ロックウール厚75と記載しているだけなので
現場監督側が
屋根タルキに代わる材料(間柱)を
断熱材と断熱材の取合いに取付けて
見付部分に断熱材の耳を
留める様に指示をしていれば
良かったと考えます。
この事は
現場監督の監理不足または知識不足ですね!
もっと詳しく言えば
逃げ道として
外壁通気構法が取れない場合は
防湿シートの厚さにより
緩和規定が有ったりします。
外気に接する床の断熱材の場合は
この施工方法は通用しませんので
気を付けて下さいね!
という事で
今日のお話は参考になったでしょうか?
Y&Y設計事務所は
「住宅診断」を実施して
沢山の不具合事象を見ていますので
これらの
不具合事象を少しでも減少させる為に
既存住宅の場合は
「住宅診断」は必須ですよ!
注文住宅の場合は
「新築各工程検査」や
「プラン思い込み図面チェック」を
費用対効果の事も考えて依頼してみませんか?
依頼する事で
少しでも不安(泣き寝入り)を少なくしませんか?
勿論
設計事務所として
住宅の設計相談もOKですよ!
毎日ブログを更新していますので
住宅の購入を考えている人は
他のブログも見て下さいね!
今回は、これで終わります。
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「Y&Y設計事務所」が お客様に提供させて頂く
詳細な住宅診断とは、
ただ単に不具合事象の有無を調査するのではなく、
もし不具合事象が有れば、
その原因をより詳しく目視の範囲内で追及し、
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お客様が、安心・納得して購入する事が出来る様に
説明するサービスを提供させて頂いています。
ここでの「安心・納得」とはどの様な意味なのかと言いますと、
安心とは、不具合事象が無い事で安心。
納得とは、不具合事象が事前に分かる事で納得。
住宅診断とは、この二つを得る為の手段だと考えています。
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