2020/01/20
今回は、<中古住宅買取再販物件の落とし穴>についてお話をしてみたいと思います。
私共に、住宅診断を依頼されるお客様の殆どが契約をした後になって不安になり依頼してくるパターンと、その中古住宅に住みだして異常を感じて依頼してくる二つのパターンに大きく分ける事が出来ます。
最初の方の不安になって依頼される買主様は、住宅診断をする事で、引っ越す前にある程度覚悟が出来ますが、
引っ越した後に異常を感じて依頼して来る買主様の殆どが、切羽詰まった感じになっています。
住宅診断の結果によっては、不動産業者を訴えてやろう、又はキチンと直さしてやろうと考えています。
しかし、現状の法律では買主様の思う通りにはならない事が殆どです。
今年の民放改正で、「瑕疵担保責任」が「契約不適合責任」に代わります。
これを分かり易く簡単に説明すると、改正前に無かった契約解除権が認められる事になりました。
しかし、改正後の裁判の判例が出てきて、本当に契約解除まで行けるかどうかハッキリするのは、まだまだ先になりそうです。
話が反れましたので元に戻します。
引越してから分かる瑕疵事象の殆どが、床の傾斜の異常です。
既存住宅瑕疵保険加入する為の床の傾斜判断基準の6/1000を優に越している9/1000とか10/1000の床の傾斜を、何故契約する前に分からなかったのだろうか?
私からすれば不思議な事なのですが、これにも色々な事情が買主様側にも有ります。
買取再販の中古住宅は、殆どが建物内のリフォーム工事(フロアーの貼替、クロスの貼替、住設の取替)をして販売をします。
見た目はとても綺麗に仕上がっています。
買取再販業者も慈善事業ではないので、最小限の範囲のリフォーム工事しかしません。
簡単に分かり易く言いますと、見た目だけを綺麗にリフォームするだけで、床が傾斜していても傾斜を直す予算が無いのでその傾斜のままフロアーを貼り増しする場合が殆どです。
それで、買主側が気付かず契約をしたらしめたものと思っている様に傍目から見て感じます。
契約をした後は、買主の言い分を聞いて、聞いたふりをしてのらりくらりと時間稼ぎをし、買主が諦める迄床の傾斜は気が付かなかったと逃げてしまいます。
不動産業者が、瑕疵担保責任の範囲で床の傾斜を直す事は有っても、原因の根本から直すのではなく、表面的な補修程度でお茶を濁してしまいます。
今回の題目である<中古住宅買取再販物件の落とし穴>で一番お話をしたかった事は、
買主様が、この中古住宅が欲しくてたまらなくなる様な営業マンのトークと、早く家を購入したいと思っている買主様の心理が、冷静な判断を狂わしてしまいます。
ゆえに、一歩踏みとどまって、契約する前に床下・屋根裏に入っての調査を含めた住宅診断を依頼して下さい。
後悔しない為に。また泣き寝入りしない為にも。
今回は、ここで終わりとします。