2023/10/09
今回は、<ホールダウンアンカー埋め込み長さは大丈夫?>についてお話をします。
今日のお話は
基礎の
ホールダウンアンカーボルトのお話です。
一般的な木造住宅では
仕様規定の計算によって
基礎の各所に
ホールダウンアンカーボルトを設置しています。
このホールダウンアンカーボルトの
埋め込み長さにクローズアップして見ます。
ホールダウンアンカーボルトは
阪神・淡路大震災を教訓に
平成12年建設省告示1460号で定められ
ホールダウンアンカーボルトの埋込長さは
360㎜以上(35kN用は500㎜以上)と
決められています。
木造住宅工事仕様書(フラット35)では
下記資料①の様に
25kN以下の場合は埋め込み長さ360㎜
25kNを超え35.5kN以下の場合は510㎜
と表記されています。
ここに表記されている事で
この長さを満たしていれば埋め込み長さの検討を
省略する事が出来ますので
この埋め込み長さは厳守する事が必要です。
ここで本題に入ります。
ここで問題提起として
実際の現場でこの規定が順守されているか?
一般的に多い
基礎の立上り寸法は400㎜です。
理由は簡単で
フラット35の基本寸法だからです。
がしかし
ホールダウンアンカーボルトの
埋込長さ360㎜を遵守する場合に
実際の現場では
問題が多く発生しています。
それは何か?
一般的にベタ基礎を施工する時は
2回に分けてコンクリートを打ちます。
つまり
ベースコンクリートを打った後に
立上りのコンクリートを打ちます。
ここが問題のネックです。
基礎の立上りが400㎜で
ベースコンクリートの高さはGLからの高さで50㎜です。
400㎜ー50㎜=350㎜です。
ベースコンを打った後に
ホールダウン金物をセットした場合
埋め込み長さが350㎜という事になり
360㎜には10㎜足らないのです。
この事は
殆どの工務店はスルーされています。
ベタ基礎を
ベースと立上りコンクリートを
一発でコンクリートを打つ場合は
問題は無いのですが・・・・。
一般の多くの基礎屋は
一発仕上は手間が増えるので
2回に分けてコンクリートを打ちます。
厳密に言えば
10㎜埋め込み長さが足らない場合は
建築基準法違反なのです!
この事をクリアさせるには
一発でコンクリートを打つか
又は
埋め込み長さが350㎜以内でも
引張耐力が確保できるホールダウンアンカーボルトを選択するか
下記図面①の様に
基礎の立上りを410㎜にするか?
ただし
レベルモルタルの圧縮強度が
普通コンクリートの圧縮強度と同程度以上の場合です。
一般的な圧縮強度は24N/㎜²です。
今日の纏めとして
ベタ基礎の場合は
コンクリートの2回打ちを前提として
工務店が
基礎工事を依頼する業者に
ホールダウンアンカーボルトの埋込長さに関して
必ず
どうするのかの指示が必要です!
指示をキチンとしなければ
ホールダウンアンカーボルトの
埋め込み長さが足らない
建築基準法違反になる可能性が
有りますから要注意ですよ!
注文住宅の場合は
施主側からも
ホールダウンアンカーボルトの件を
どうされるのかを確認する事をお勧めします!
という事で
今日のお話は如何でしたでしょうか?
Y&Y設計事務所は
「住宅診断」を実施して
沢山の不具合事象を見ていますので
これらの
不具合事象を少しでも減少させる為に
既存住宅の場合は
「住宅診断」は必須ですよ!
注文住宅の場合は
「新築各工程検査」や
「プラン思い込み図面チェック」を
費用対効果の事も考えて依頼してみませんか?
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少しでも不安(泣き寝入り)を少なくしませんか?
勿論
設計事務所として
住宅の設計相談もOKですよ!
毎日ブログを更新していますので
住宅の購入を考えている人は
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今回は、これで終わります。
昨日のウォーキング
距離6.8km 8990歩
トータル
距離185.9km 252422歩