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ホームインスペクターと第三者性の関係とは

昨日は、ホームインスペクションは誰の為にするのだろうか? 第三者性を遵守する事って、誰の為に? を考えさせられた長~い一日でした。

私の場合は、住宅診断後一週間以内に住宅診断結果報告書を作成して、お客様の所に行き報告させて頂いています。

その時にホームインスペクターとして遵守しなければならない「ホームインスペクター倫理行動規定」が有ります。

その中の第3条 (中立性の堅持)が書かれた条文が有り、私が常に念頭において報告書を作成し、説明させて頂いています。

しかし以前、基礎立上りに幅1.0㍉~3.0㍉以上の貫通クラックが8箇所有り、壁の傾斜が1階、2階共ほぼ同じ位置に7/1000から10/1000が各階それぞれ2箇所確認、床の傾斜は6/1000(測定距離3m前後で)未満では有りましたが、同じ方向に傾斜していた中古住宅が有りました。

ここの場合も同じように建物の現況を、この倫理行動規定に沿って報告書を説明して行きました。

ただ、内容が内容だったので、いつも以上に淡々と現況を説明して行きました。

私は、報告書を説明し終わってから、お客様はがっかりしただろうなって勝手に思っていました。(熊本地震の後だったし、沢山の大きな瑕疵が有るから)

昨日人づてに、あの家を契約して、今リフォーム工事をしている事を聞き、大変驚きました。

一瞬その時、「ホームインスペクターの倫理行動規定」を遵守しないで、購入しない方向に誘導すれば良かったのではないかと考えました。

しかし、報告書の説明の時の事をよくよく思い出してみると、「悪い部分はどの様に補強したらいいのですか」とか、「この瑕疵の原因は何なのですか」とかを、お客様がよく聞いていた事を思い出しました。

その時、パッと目の前が明るくなった気がしました。

これがホームインスペクターに必要な「第三者性」なんだ!と。

お客様の購入の意思決定を邪魔しない事が、どれだけお客様に冷静に判断させるのかが分かりました。

つまり、ホームインスペクターにとっての「第三者性」とは何か?

それは、お客様の購入判断の妨げになるような感情、余分な情報、必要の無い会話をせず、淡々とお客様の質問、疑問に応えて行く事だと。

この長~い一日が、私のホームインスペクションに対する考え方に、より一層精進して行く決心をさせてくれました。

◆参考として
「ホームインスペクター倫理行動規定」の一部分です。

【第3条 (中立性の堅持)】
1.ホームインスペクターは、業務を行うにあたって、中立性の堅持に務め、客観性、信義誠実を旨とし、公正な立場から行動、発言しなければなりません。
2.ホームインスペクターは、顧客先が一般消費者、不動産会社、工務店、設計者等のいずれであっても第三者性を堅持し、特定者が優位になる検査報告はしてはなりません。
3.ホームインスペクターは、事実と相違する報告書を作成してはなりません。
4.ホームインスペクターは、不動産売買の意思決定に関して、顧客を誘導してはなりません。
5.ホームインスペクターは、何らかの理由により第三者の立場でないホームインスペクションを行う場合には、その旨を依頼者に対して、書面によって説明を行い、依頼者から記名・押印した書類を受領しなければなりません。
6.ホームインスペクターは、常に社会から信頼される存在として、透明性を高め、公正かつ健全に行動しなければなりません。
7. ホームインスペクターは、依頼者の紹介を受けたことに対する謝礼その他の対価を支払ってはなりません。
8. ホームインスペクターは、依頼者の紹介をしたことに対する謝礼その他の対価を受け取ってはなりません。

この条文だけでも、ホームインスペクターとして、大変たくさんの事を守らないといけない事項が有ります。

今回は、ここで終わります。

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