2016/11/11
今月に入ってのブログに、買取再販業者の瑕疵保険付き中古住宅の事を記載しています。
その結果を総合的に今日は記載します。
◆最初に結論として
瑕疵保険付き中古住宅は、「瑕疵保険が付保されているから安心」と考えて購入する事は、大変危険です。
◆何が危険なのか?
買取再販業者が瑕疵保険付き中古住宅を販売する事は、大変良い事です。
ここで大きな問題(危険)なのは、瑕疵保険検査をする瑕疵保険法人検査員の検査方法なのです。(検査員が悪い訳では有りません)
◆瑕疵保険検査員の検査方法とは
屋根裏・床下に侵入しての検査は義務化されていません。つまり、屋根裏・床下に大きな瑕疵の見落としが有っても屋根裏・床下に入って検査する義務が無いので、検査員の責任は咎められません。
◆購入後、瑕疵を発見した場合
中古住宅購入後に瑕疵が発見されても、その瑕疵によって免責金額以上の大きな二次災害が無ければ保険は降りません。
例えば床下の基礎に3.0㍉のクラックが発見されても、それを補修する費用は出ません。不安を抱えたまま購入した家に住み続ける事になります。
◆中古住宅瑕疵保険検査の大きな欠陥とは(一つの例として)
①外部のみの検査をして、基礎に0.5㍉以上のクラックの有無を確認して、無ければ合格なのです。
②リノベーションして基礎のクラックの表面をモルタルで分からなくしても合格です。
③床下に入って、そのクラックが適切に補修されているかどうかの確認は検査員にとって義務ではないのです。
◆瑕疵保険法人の保険に対する考え方(私見です。)
見落とし瑕疵が二次的に大きな被害が出れば、瑕疵保険から補修費を出せばいいだけと考えている。
中古住宅の瑕疵保険期間は1年~5年。その間に見落とし瑕疵が二次的に大きな被害が出る確率が0%に近い(恐らく統計的な数値が有るはず)と考えているから、建物で一番肝心な屋根裏・床下検査をしないのではないかと勘ぐります。
◆買主様の心情と仲介業者営業マンの心情
買主様は、この様な仕組みは知りません。瑕疵は全て補修済みとして安心だと思い中古住宅を購入しています。
また瑕疵が発見されたら、瑕疵保険から補修費が降りると勘違いしています。
住宅販売のプロでありながら勉強不足の営業マンもこの様な仕組みは知りません。瑕疵は全て補修済みとして安心だと思い中古住宅を販売しています。また瑕疵が発見されたら、瑕疵保険から即補修費が降りると勘違いしています。
営業マンは騙そうとしていないから質が悪いのです。結果的に買主様は信用して購入するのです。何か不具合が出たら、この営業マンに言えば何とかしてくれると勘違いして・・・・・。結果、喧嘩別れ、裁判沙汰になりストレスはマックスになります。
※これは、ほぼ全ての瑕疵保険付き中古住宅の実態と思っても過言では無いと思います。何故なら、屋根裏・床下の検査をしないのだから!
◆最後に
例え、瑕疵保険付き中古住宅で有っても、ここで説明したように安心では有りません。
新築、中古住宅を問わず、住宅を購入する前に、私達ホームインスペクターに住宅診断の依頼をして下さい。