2020/08/18
今回は、<大引き間に使用するグラスウール系断熱材には要注意!>についてお話をします。
最近の新築住宅の床下断熱材に、
グラスウール系の断熱材を使用している物件をよく見ます。
使用する理由として考えられる事は、施工がしやすいからだと思われます。
しかし、下記の2枚の写真の様な不適合事例が後を絶ちません。
この事に対する注意喚起のつもりでここに記載します。
※上記写真の不適合事例①についての私見として
上の写真のように約820角の大引き間に、
断熱材を止める専用ピン4本で固定しています。
しかし、
この段階で真ん中が膨らんでいるのが分かりますでしょうか?
年数が経てば、グラスウールが床下の湿気を吸い、
湿気を含んだ自重で今以上に垂れ下がる可能性も考えられます。
そうなれば、完全に床下の断熱材の意味をなさなくなります。
(現状、既に断熱効果は下がっていますけど)
メーカーの施工要領には、
恐らくこの写真の様にならない様に、
施工注意事項が記載されていたと思います。
※上記写真の不適合事例②についての私見として
このメーカーの床下断熱材は、
不織布の耳(2方向のみ)を大引き等にタッカー留めにしているだけなので、
足を踏み外したかどうかは分かりませんが、
この不適合事例②の写真の事象になっています。
大工さんは、分かっていながら床材を貼り上げたと思われます。
この断熱材の場合は、年月が経って湿気を含んだとしても、
これ以上は垂れ下がらないと思いますが、
そもそも、この様な大きな隙間が有れば、
床下断熱材の意味をなしていません。
新築住宅だから、
大手メーカーだから安心ではないのです。
工事を実際にするのは、職人です。
わざと、不適合事例の様な工事はしないと思いますが、
何かの理由でやらかした失態を、
後から直そうと思っていても忘れる場合が有ります。
ゆえに、
新築住宅でも、床下に入っての住宅診断は必要なのです。
今回は、これで終わります。
※追伸として
「Y&Y住宅検査」が お客様に提供させて頂くサービスとは、
ただ単に不適合事象の有無を調査するのではなく、
もし不適合事象が有れば、
その原因をより詳しく目視の範囲内で追及し、
不同沈下などの傾きが有れば、
建物全体の傾きなどの傾斜傾向を図面にて表現する事で、
より分かり易く建物の現況を報告書に纏め、
お客様が、安心・納得して購入する事が出来る様に
説明するサービスを提供させて頂いています。
ここでの「安心・納得」とはどの様な意味なのかと言いますと、
安心とは、不適合事象が無い事で安心。
納得とは、不適合事象が事前に分かる事で納得。
住宅診断とは、この二つを得る為の手段だと考えています。