2020/08/28
今回は、<不適合事例7 床下湿気として>についてお話をします。
下記の写真は、築34年の軽量鉄骨系住宅の住宅診断にて確認された不適合事例です。
今迄で、この様に含水率の高い床下の住宅は初めてです。
一般的に床下の湿気が高くなる条件は、
床下換気口が物置などで塞がっていたり、
増築により、床下換気口が塞がれた場合、
外の地盤より床下の地盤が15センチ以上低かったりした場合は、
床下の湿気が高くなる傾向が有ります。
しかし、
この建物は、床下が湿気る上記の条件には当てはまりませんでした。
最初は不思議に思っていましたが、
住宅診断の最初に実施していた外廻りの調査で、
何故か地盤一面が薄っすらと湿気ていて、基礎の立上りも湿気ている事を思い出し、
再度、外廻りの調査を実施して気が付きました。
結論として纏まったのは、
以前、住宅診断ではなく地盤陥没のクレームの調査をした家の近くだった事を思い出したのです。
その家の駐車場の土間(インターロッキング)の一部が陥没した事象でした。
その時の調査の結果内容が、
その地域の地下水位が、部分的に地上表面に近い事が原因だった事を思い出したのです。
これで、床下の湿気の原因が分かりスッキリしました。
住宅診断をする時は、建物の外廻りを必ず最初に調査しますが、
今迄は、不同沈下の可能性を確認する為に、法面が有る無しを確認していましたが、
これからは、床下の湿気の原因を確認する為に、海、河川などの水位も考慮するようにします。
今回の不適合事例からは、
今迄の床下湿気の原因項目に、「地下水位の高さ」を項目にプラスする事にしました。
今回は、これで終わります。
※追伸として
「Y&Y住宅検査」が お客様に提供させて頂くサービスとは、
ただ単に不適合事象の有無を調査するのではなく、
もし不適合事象が有れば、
その原因をより詳しく目視の範囲内で追及し、
不同沈下などの傾きが有れば、
建物全体の傾きなどの傾斜傾向を図面にて表現する事で、
より分かり易く建物の現況を報告書に纏め、
お客様が、安心・納得して購入する事が出来る様に
説明するサービスを提供させて頂いています。
ここでの「安心・納得」とはどの様な意味なのかと言いますと、
安心とは、不適合事象が無い事で安心。
納得とは、不適合事象が事前に分かる事で納得。
住宅診断とは、この二つを得る為の手段だと考えています。