2020/09/16
今回は、<不適合事例17 基礎肌別れとして>についてお話をします。
今回の内容は
中古住宅を見に行った時に
床に傾斜が有るか?無いか?を
家の中に入らなくても分かる
チェック方法をお教えします。
ただし
広い犬走り又は駐車場の土間が有り
その逆方向に傾斜している場合に限ります。
上の写真を見て
基礎の肌別れの仕方を見て下さい。
犬走りの方が下がっていない事は
樋が有る面を見ればお分かりになります。
家が犬走りの反対側に
離れて行くような感じで
傾斜している事が分かりますでしょうか?
この基礎の肌別れと床の傾斜の関係は
今迄の実績から見出した方法です。
この事を
実際に中古住宅を見に行った時に
チェックして実感してみて下さい!
上の床・壁傾斜チェック図の説明をします。
床傾斜の判定測定距離は3m以上ですので
その傾斜は図面に記載している通りですが
実際の傾斜が実感できる場所(距離)として
台所の部屋を見て下さい。
台所の中央の-15とガスコンロ前の-44の計測数値を見て下さい。
この2点間距離は2.13mです。
この間での床の傾斜は13.61/1000になります。
洋室の場合は
中央の-9と左上の-31の計測数値を見て下さい。
この2点間距離は2.45mです。
この間での床の傾斜は8.97/1000になります。
床傾斜の判定計測距離は3m以上での計測数値と
実際に感じる(判定計測距離3m未満)計測数値の違いが分かって頂けたでしょうか?
この図面の壁の数値の見方は
判定基準の2点間計測距離が2mで計測していますので、
例えば18の数値で有れば
9/1000の傾斜になります。
お話が反れますが、ついでに
床傾斜のトリック?を説明します。
平成12年の品確法に基づく床の傾斜の2点間計測距離は3m以上です。
これを悪用したのが瑕疵保険の判定基準です。
既存住宅瑕疵保険加入の為の判定基準では有りません。
何に悪用したかと言いますと
計測2点間距離が3m未満での床の傾斜が
6/1000以上有ったとしても
瑕疵保険法人は
瑕疵(不適合)とは認めません。
可笑しいとは思いませんか?
でも、これが現実なのです。
ゆえに
住宅診断が重要になって来ます。
建物状況調査では
上記の計測トリック?迄はインスペクションしません!
今回は、これで終わります。
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「Y&Y住宅検査」が お客様に提供させて頂くサービスとは、
ただ単に不適合事象の有無を調査するのではなく、
もし不適合事象が有れば、
その原因をより詳しく目視の範囲内で追及し、
不同沈下などの傾きが有れば、
建物全体の傾きなどの傾斜傾向を図面にて表現する事で、
より分かり易く建物の現況を報告書に纏め、
お客様が、安心・納得して購入する事が出来る様に
説明するサービスを提供させて頂いています。
ここでの「安心・納得」とはどの様な意味なのかと言いますと、
安心とは、不適合事象が無い事で安心。
納得とは、不適合事象が事前に分かる事で納得。
住宅診断とは、この二つを得る為の手段だと考えています。
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