2020/09/26
今回は、<直下率として>についてお話をします。
今から注文住宅を計画しようと考えている人
中古住宅を購入しようと考えている人に
この熊本地震から言われ出した「直下率」が
大変重要な事だと知って頂きたいと思い
簡単では有りますがお話をします。
熊本地震で耐震等級2の建物が倒壊しました。
一般的な建物は耐震等級1の建物で
それよりも計算上は地震に強い建物と思われていたのです。
この建物が倒壊した原因調査の結果
柱の直下率が47.5%
耐力壁の直下率が17.8%という事が分かりました。
この事から
柱、耐力壁の直下率が耐震にとって重要な項目として脚光を浴びる様になりました。
今、考えられている直下率の標準目安の数値は
柱が60%以上
耐力壁が50%以上です。
では、実際に以前計画されたプランの直下率を調べてみます。
赤色が1階平面図で黒色が2階平面図です。
このプランの柱の直下率は
2階柱の本数は48本
2階の柱の下に1階の柱が有る2階の柱の本数は25本
柱の直下率は25÷48=52.0% < 60%
耐力壁の直下率は
2階の耐力壁17P
2階の下に1階の耐力壁が有る2階の耐力壁は8P
耐力壁の直下率は8÷17=47.0% < 50%
プランを考える時は
直下率を極力考えていたのですが
結果がこの通り惨敗でした。
という事で
注文住宅を考えている人は
実際にプランをする時に
間取りを優先的に考えるのか
それとも耐震性を優先するのかを
よく考える事が必要です。
また
分譲住宅を購入しようと考えている人は
プランは間取り優先になっていると思いますので
実際にどの程度
直下率が有るか計算をしてみてはどうでしょうか?
今回は、これで終わります。
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ただ単に不適合事象の有無を調査するのではなく、
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説明するサービスを提供させて頂いています。
ここでの「安心・納得」とはどの様な意味なのかと言いますと、
安心とは、不適合事象が無い事で安心。
納得とは、不適合事象が事前に分かる事で納得。
住宅診断とは、この二つを得る為の手段だと考えています。
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