2020/10/05
今回は、<不適合事例27 2階床の傾斜として>についてお話をします。
中古住宅を見に行かれる前に間取り図を見て
1階の平面図のどの位置に2階平面図が載っているかを確認して下さい。
特に2階出隅部分の下に1階の壁が有るかどうかを確認するだけでも
その家の2階平面図の「載り」が良いか悪いかが分かります。
詳しく言えば
2階の出隅の柱の下に1階の柱が有るかどうかを見るのです。
築40年の中古住宅住宅の住宅診断を実施しました。
この家は築40年と言っても、べた基礎でしたので
当時としては進んだ基礎です。
1階の床の傾斜に問題は有りませんでしたが
2階の床(洋室部分)が上記図面の様に床の傾斜を確認しました。
柱の直下率は
2階の柱25本中
1階の柱に載っているの柱は12本
つまり柱の直下率は48%でした。
今で言えば60%が目標値です。
また
この中古住宅の2階の出隅の柱6本の内
1階の柱に載っているのがたった2本です。
ここから本題に入ります。
上記図面の青い部分の柱4本の下に1階の柱が無い事に
気が付いたでしょうか?
2階洋室の床の傾斜の原因は
青い横軸(2間間隔)の梁に縦軸(2間間隔)の梁を架けた構造が原因です。
せめて
縦横の交点部分の下に柱が有れば
2階の床の傾斜が防げたと考えます。
この図面に記入されていませんが
洋室物入前の1002と988の高低差は14ミリ有ります。
距離は1.29mしか無かったので記載していませんが
10.8/1000の傾斜が有ります。
洋室入り口の986からで有れば6.21/1000の傾斜になります。
ここも出隅部分の下に柱が無いです。
中古住宅を見に行った時
この様な間取りが有る場合は
床が傾いているかどうかを
怪しい部分を行ったり来たりして確認して見ましょう。
水平器を床に当てる事もお勧めします。
中古住宅を購入して嫌な思いをする項目の中に
床の傾斜が有ります。
床の傾斜が分かってしまい
意識しだすと、人によっては苦痛になります。
私が住宅診断で特に気にしている項目も
床・壁の傾斜です。
人間にとって平衡感覚は重要です。
中古住宅を契約する前に
床の傾斜の原因迄調査してくれるインスペクターに
住宅診断を依頼しましょう!
原因迄調査してくれるインスペクターですよ!
今回は、これで終わります。
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「Y&Y住宅検査」が お客様に提供させて頂くサービスとは、
ただ単に不適合事象の有無を調査するのではなく、
もし不適合事象が有れば、
その原因をより詳しく目視の範囲内で追及し、
不同沈下などの傾きが有れば、
建物全体の傾きなどの傾斜傾向を図面にて表現する事で、
より分かり易く建物の現況を報告書に纏め、
お客様が、安心・納得して購入する事が出来る様に
説明するサービスを提供させて頂いています。
ここでの「安心・納得」とはどの様な意味なのかと言いますと、
安心とは、不適合事象が無い事で安心。
納得とは、不適合事象が事前に分かる事で納得。
住宅診断とは、この二つを得る為の手段だと考えています。
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