2020/10/10
今回は、<不適合事例30 屋根裏水シミ跡として>についてお話をします。
築35年の軽量鉄骨の住宅診断です。
下記写真は
屋根裏に入っての検査をしなければ分からない
不適合事象の一つ「水シミ跡」が有りました。
一枚目の写真に
天井断熱材の2か所に水シミ跡が確認できますが、分かりますでしょうか?
丁度その水シミ跡の真上の野地板に釘が出ていた場所と合致しましたので
その釘から垂れた水シミ跡と判断しました。
問題は
何故、水滴が天井断熱材に落ちたかの原因探しです。
考えとして最初に浮かんだ事は
冬の時期に
外は冷たいが天井裏が暖かかった為に釘の表面に結露が発生し
その水滴が天井断熱材に落ちたと考えました。
しかし
野地板を良く見ますと
野地板自体にも水シミ跡が確認出来ましたので
ここで唸ってしまいました。
今度は
その野地板の水シミ跡の下の
天井断熱材部分の廻りを確認して見ましたが
天井断熱材には
水シミ跡が確認出来なかった事と
野地板の水シミ跡が確認出来る部分の屋根タルキにも
水シミ跡が確認出来なかった事から
常時雨漏りはしていない事が分かります。
常時雨漏りがしていれば
屋根タルキにも水シミ跡が残りますから。
総合的に判断をして
この水シミ跡の原因は
家が完成した後の雨漏りでは無いと判断しました。
では、この野地板自体の水シミ跡は何かと言われた場合
瓦を葺く前の雨漏りの痕跡と言えます。
また、釘の真下に有った水シミ跡は
最初に考えた通り結露と判断して間違いないですね。
中古住宅の場合は
常に、この様な自問自答しながら
住宅診断を進めて行きます。
「建物状況調査」とか「瑕疵保険加入の為の検査」などの一般的な住宅診断は
ただ単に
何処そこに水シミ跡が有りました。
で終わりますので、大変気が楽だと思います。
今日は、これで終わります。
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「Y&Y住宅検査」が お客様に提供させて頂くサービスとは、
ただ単に不適合事象の有無を調査するのではなく、
もし不適合事象が有れば、
その原因をより詳しく目視の範囲内で追及し、
不同沈下などの傾きが有れば、
建物全体の傾きなどの傾斜傾向を図面にて表現する事で、
より分かり易く建物の現況を報告書に纏め、
お客様が、安心・納得して購入する事が出来る様に
説明するサービスを提供させて頂いています。
ここでの「安心・納得」とはどの様な意味なのかと言いますと、
安心とは、不適合事象が無い事で安心。
納得とは、不適合事象が事前に分かる事で納得。
住宅診断とは、この二つを得る為の手段だと考えています。
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