2020/10/24
今回は、<不同沈下の検証として>についてお話をします。
Y&Y住宅検査では
不同沈下の不適合事象の有無を
中古住宅の住宅診断の中で
一番重要な位置に有ると考えていますので
下記の様にチェック図面を作成してから
不同沈下の有無及び傾斜傾向を検討します。
築27年軽量鉄骨系の中古住宅の診断結果から
不同沈下の検証をしてみました。
壁の傾斜が4/1000以上確認された箇所を〇印で囲っています。
この箇所を見て下さい。
全てが西(左側)と南(下側)に向いている事がお分かりと思います。
つまり
家全体の壁の傾斜傾向が西と南に傾いている事が判断できます。
軽量鉄骨造の建物なのかどうか分かりませんが
1階と2階の傾斜数値がほぼ同じという事も
木造住宅では見る事が無いところですね。
床の傾斜の矢印の向きを見て下さい。
垂直、水平部分の矢印方向が全て西と南に向いている事が分かりますね。
つまり
家全体(タタミ部分以外)の床の傾斜傾向がハッキリと判断できます。
基礎のひび割れ貫通箇所が
南側半分に集中している事がお分かりになると思います。
注意して見ると和室4.5帖の上側の床下基礎貫通ひび割れが1.00㎜が有ります。
このひび割れ位置から南部分の地盤が主に沈下していると判断をします。
また
南面の基礎貫通ひび割れ及び
階段の所の貫通ひび割れから南側のタテの線から
西へ沈下していると判断できます。
(この基礎ひび割れチェック図は、この家の様な傾斜が有る場合に作成します。)
この住宅が建っている場所は
大きな造成地の一画に建っていて
隣近所には敷地の高低差が無い敷地です。
この事から考えて
切土盛土の境に建物が建っているとは考え難い場所でしたので
基礎工事時の基礎堀底の転圧不足が原因と考えます。
この様なチェック図面を作成しなければ
不同沈下の有無及び傾斜傾向が分かりません。
住宅診断を依頼される人は
この様なチェック図面を作成するかどうか確認してから依頼する様に!
今回は、これで終わります。
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「Y&Y住宅検査」が お客様に提供させて頂くサービスとは、
ただ単に不適合事象の有無を調査するのではなく、
もし不適合事象が有れば、
その原因をより詳しく目視の範囲内で追及し、
不同沈下などの傾きが有れば、
建物全体の傾きなどの傾斜傾向を図面にて表現する事で、
より分かり易く建物の現況を報告書に纏め、
お客様が、安心・納得して購入する事が出来る様に
説明するサービスを提供させて頂いています。
ここでの「安心・納得」とはどの様な意味なのかと言いますと、
安心とは、不適合事象が無い事で安心。
納得とは、不適合事象が事前に分かる事で納得。
住宅診断とは、この二つを得る為の手段だと考えています。
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