2020/11/01
今回は、<基礎立上り高さとして>についてお話をします。
新築分譲住宅をフラット35を使用して購入を考えている人
注文住宅をフラット35を使用して家を建てようと考えている人は
厳密にインスペクションをした場合
フラット35の仕様書に記載されている
アンカーボルトのコンクリート基礎への埋込長さ不足の
指摘を受ける事が有りますので
十分に気を付けて下さいね!
一般的な住宅では
柱脚部の短期許容耐力は25kN以下で十分なので
アンカーボルトのコンクリート基礎への埋込み長さは360㎜と考えます。
ここでは、360㎜という数値が問題になります。
今から
上の基礎断面図の寸法を引き算してみますと
410-50=360になります。
(410㎜は、基礎の立上り高さ)
(50㎜は、設計GLからベース天端までの高さ)
この計算から
アンカーボルトのコンクリート基礎への埋込み長さは360㎜が読み取れます。
ただし、条件として
レベルモルタルの圧縮強さが28N/m㎡とした場合です。
しかし
今迄、住宅診断をする時に頂いた図面には
ほぼ基礎の立上り高さが400㎜になっています。
つまり
400-50=350で
10㎜アンカーボルトの埋込長さが足らない事になります。
この計算の根拠は
ベースコンを先に打った後に
立上り部分を打つ
つまり
2回に分けて打ち分けた場合での計算です。
この工法は、殆どの基礎屋さんが施工する方法です。
たまに
工務店によっては
基礎を一体にする為に
ベースと立上りを一体でコンクリートを打つ事が有りますが
極々少数です。
という事で
完成後、フラット35を使用する事が出来る様に想定して
断熱材とか、サッシなどの性能を上げて建てたとしても
基礎の立上り高さを410㎜以上にしていなければ
インスペクターから指摘される事が有ります。
工務店側には
基礎の高さを410㎜にする事をお勧めします。
ただし
アンカーボルトのコンクリート基礎への
埋込み長さは360㎜の数値は
フラット35仕様書には記載されていますが
遵守しなければならない基準では有りません。
しかし
大変大切な基準と考えますので
遵守して欲しいと考えます。
今回は、これで終わります。
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ただ単に不適合事象の有無を調査するのではなく、
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ここでの「安心・納得」とはどの様な意味なのかと言いますと、
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住宅診断とは、この二つを得る為の手段だと考えています。
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