2020/11/15
今回は、<不同沈下の原因として>についてお話をします。
中古住宅又は新築住宅の購入を考えている人は
不同沈下の原因になる法面に対する
建物の配置についてチェックをして下さいね。
下記の図面は
これからお話する住宅の不同沈下について
説明する為の仮の配置図面です。
ここから本題に入ります。
この前、親戚の人から
既存住宅瑕疵保険に加入して
住宅ローン減税を使用したいので
検討をしている住宅を見て欲しいと相談が有りました。
もし
既存住宅瑕疵保険に加入できそうな家だったら
住宅診断の依頼をするから
その前に見てもらえないか?と電話が有ったのです。
親戚の人だから仕方ないので
翌日、見に行ってみました。
なかなか立派な住宅で
日本瓦葺きの
いかにもバブル時代に建てられた豪華な住宅でした。
しかし
上記図面の敷地とは形状が違いますが
2方向が道路の角地の敷地で
道路面が、敷地よりも約1.0m位低い敷地でした。
現地を見た瞬間
嫌な予感がしました。
建物が道路面側の角地近くに建っていたのです。
上記図面の法面迄の距離751㎜と同じくらいでした。
事前に聞いていた情報として
2階の一室の床の傾斜が
少し気になるという情報でしたので
床の計測をする迄もなく
不同沈下をしている事は間違いないと考えました。
傾斜数値を採る為に
最初に2階の一室の床の傾斜を計測した結果
もろに法面側に10/1000以上の傾斜を計測しました。
しかし
2階の出隅部分の載りも悪かったので
それが原因だけだったら
1階の天井を剥いで
2階の床が下がっている部分を直せるかな?と一瞬思ったのですが
念の為に
その2階の一室の下の部屋(和室と広縁)の床を計測したら
完璧な不同沈下という事が分かりました。
1階の天井を剥いで
2階の床の傾斜を直すレベルではなく
基礎からジャッキアップする「アンダーピニング構法」などの
根本的な工事が必要と結論が出ました。
という事で
既存住宅の瑕疵保険加入の検査どころではない事を
親戚の人にお伝えしました。
今回の纏めとして
低い法面が有る敷地に家が建っていた場合
中古住宅の場合は
不同沈下の可能性を考える事が必要です。
新築住宅の場合は
鋼管杭打ちなどの地盤補強工事をしているかどうかを
業者に確認しましょう。
もし
鋼管杭などの補強工事をしていなければ
将来的に不同沈下を起こす可能性が有るかもしれないと
覚悟して購入して下さいね。
今回は、これで終わります。
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「Y&Y住宅検査」が お客様に提供させて頂くサービスとは、
ただ単に不適合事象の有無を調査するのではなく、
もし不適合事象が有れば、
その原因をより詳しく目視の範囲内で追及し、
不同沈下などの傾きが有れば、
建物全体の傾きなどの傾斜傾向を図面にて表現する事で、
より分かり易く建物の現況を報告書に纏め、
お客様が、安心・納得して購入する事が出来る様に
説明するサービスを提供させて頂いています。
ここでの「安心・納得」とはどの様な意味なのかと言いますと、
安心とは、不適合事象が無い事で安心。
納得とは、不適合事象が事前に分かる事で納得。
住宅診断とは、この二つを得る為の手段だと考えています。
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