2020/11/16
今回は、<瑕疵保険法人の瑕疵保険免責として>についてお話をします。
新築住宅にしても、中古住宅にしても
瑕疵保険が付保されているから心配しなくても大丈夫です。
と仲介営業の方が言われる事が有ると思います。
瑕疵保険が付いていれば
何が大丈夫なのでしょうか?
その事を追求しないで
ただ単に大丈夫なんだ
安心なんだと勝手に思い込んでいるだけではないでしょうか?
瑕疵保険では払われる保険事故の発生部位は
9割以上が「雨水の浸入を防止する部分」に対する支払いです。
下記資料の平成30年3月迄の累計左側の円グラフを見て下さい。
その部位とは
外壁面・外壁開口部・バルコニー・屋根です。
つまり、雨漏りに対する支払いです。
構造に関する保険金の支払われた割合は7%位ですが
「構造耐力上主要な部分」とは
基礎・土台・斜材・床板・横架材・柱・壁・小屋組・屋根版です。
問題はここに有ります。
「雨水浸入を防止する部分」で有れば雨漏りに対する事だと分かります。
しかし
「構造耐力上主要な部分」と言われても
基礎がどの様になったら保険金が支払われるのでしょうか?
土台がどの様になったら保険金が支払われるのでしょうか?
見当が付きません。
しかし
構造に関する保険金が支払われたのは
7%有ります。
下記資料の五つ目のポチの行に
土地の沈下・隆起・・・・・と書かれています。
この事を言い換えると
不同沈下による基礎、外壁のひび割れとか
床・壁の傾斜の不適合事象に対する保険金は支払われないという事なのか?
これに関して
瑕疵保険法人の営業担当者に確認したところ
ハッキリとした返答が有りませんでしたが
新築住宅の場合は
地盤沈下で傾いた場合に保険を支払っている事も有るとの事。
中古住宅に関しては
地盤沈下での支払い迄は分からないとの事でした。
ただし
低い法面が原因の場合の不同沈下は支払いされないとの事。
実際のところ
営業担当レベルでは分からないのか?
それとも、言えないのか?
ここでの大きな問題は
国土交通省が推奨している
既存住宅のインスペクション(既存住宅状況調査)は
ただ単に
劣化事象の有無だけを調査するインスペクションです。
また
建物状況調査の結果の概要にも
不同沈下に関する項目は何も無いのです。
勿論
既存住宅瑕疵保険加入の為の検査項目にも有りません。
私が住宅診断で一番大切な事と考えている項目は
建物が不同沈下しているかどうか
又は
どちらの方向に床・壁の傾斜傾向が有るかを知る事が
その家に住む人にとって一番大切な事だと考えています。
ゆえに
不同沈下の有無を報告しないインスペクションって
何の為の、誰の為のインスペクションなのでしょうか?
本当に不思議ですが
皆さまは
それで納得しているのでしょうか?
今回の結論として
住宅瑕疵保険に加入していても
不同沈下に関して
何も大丈夫ではないし
何も安心ではないのです。
この事をお伝えしたかったのです。
今回は、これで終わります。
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「Y&Y住宅検査」が お客様に提供させて頂くサービスとは、
ただ単に不適合事象の有無を調査するのではなく、
もし不適合事象が有れば、
その原因をより詳しく目視の範囲内で追及し、
不同沈下などの傾きが有れば、
建物全体の傾きなどの傾斜傾向を図面にて表現する事で、
より分かり易く建物の現況を報告書に纏め、
お客様が、安心・納得して購入する事が出来る様に
説明するサービスを提供させて頂いています。
ここでの「安心・納得」とはどの様な意味なのかと言いますと、
安心とは、不適合事象が無い事で安心。
納得とは、不適合事象が事前に分かる事で納得。
住宅診断とは、この二つを得る為の手段だと考えています。
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