2020/12/04
今回は、<中古住宅の床・壁を契約前に計測しましょう!>についてお話をします。
宅建業法改正により
仲介業者は、売主及び買主に対して
インスペクション業者の斡旋の可否を聞く事が義務化されました。
少し詳しく言いますと
インスペクションとは何か?から説明した後に
インスペクション業者の斡旋の可否を聞きます。
と言っても
不動産取引の慣習から
買主には
契約時の重要事項説明の前の
媒介契約時に斡旋の可否を聞く事なってしまいますので
殆ど意味を成していません。
インスペクションの話を聞いて
初めて、インスペクションという
建物状況調査が有るとは知らなかったので
それでは
インスペクションをしたいと思っても
インスペクションをしたいから
契約を延ばしてとは言えない状況です。
何たって、関係者全員が揃って
契約の捺印を待っている状況だから・・・・。
結局、成り行きで契約をしてしまい
中古住宅を契約した後に
一番後悔する事は
床・壁の傾斜です。
築浅の中古住宅であれば
そこ迄、傾斜を感じる事は極稀で
築年数が15年とか20年以上とかになると
買取再販業者がリフォーム工事をしている事が殆どなので
カーテン屋さんが採寸に来て
サッシの右と左の高さが違いますがどうされますか?
と聞かれて
初めて
床の傾斜だけを直している事に
気付くパターンが多い気がします。
ここから本題に入ります。
契約をする前に
自分で出来る事は何か?
を説明します。
一つ目は
契約時にインスペクション業者の斡旋の可否を聞かれる時ではなく
この中古住宅が気に入ったと思った時に
自分で住宅診断の依頼をするのです。
ただし
国土交通省が薦めている「建物状況調査」ではダメです!
何故ダメかと言いますと
この「建物状況調査」は
ただ単に、目視の範囲で劣化事象の有無だけを調査するだけの内容です。
床の傾斜も、壁の傾斜も決まった方法又は
何処を計測しなければならないと言った決まりは何も有りません。
しかも
建築士で有れば
半日の講習で
その「既存住宅状況調査技術者」の資格が取れますので
インスペクションの実施経験の殆どない建築士が
小遣い稼ぎ(1回が3~4万円)の気持ちで実施している事が多いです。
よくよく確認してから依頼して下さい。
二つ目は
よくよく確認するとはどういう事なのか?
床・壁の傾斜計測の方法及び箇所を聞くのです。
例えば、下記のチェック図面の様に計測できる範囲を計測して
その家の傾斜傾向が説明できる計測内容までするかどうか?です。
本題中の本題として
中古住宅で一番大事な調査は
床・壁の傾斜計測では有りません。
これは、単に二次的な結果で有って
この傾斜の原因が何か?
つまり
この不同沈下している原因を調査しなければ
小手先の
ひび割れ補修とか
部分的に床の傾斜を直す工事をしても
全くもって意味が無いと言うか
お金の無駄遣いです。
折角、住宅診断を依頼したのに
住宅診断をした意味が有りません。
床・壁の傾斜測定を実施して
問題が有れば
その問題(原因)を追究しなければ
結局は
後悔しか残りません。
後悔しない為に
原因を探して
それに合った補修方法と
予算を考えてから契約を決めて下さい。
今回は、これで終わります。
◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊
「Y&Y住宅検査」が お客様に提供させて頂くサービスとは、
ただ単に不適合事象の有無を調査するのではなく、
もし不適合事象が有れば、
その原因をより詳しく目視の範囲内で追及し、
不同沈下などの傾きが有れば、
建物全体の傾きなどの傾斜傾向を図面にて表現する事で、
より分かり易く建物の現況を報告書に纏め、
お客様が、安心・納得して購入する事が出来る様に
説明するサービスを提供させて頂いています。
ここでの「安心・納得」とはどの様な意味なのかと言いますと、
安心とは、不適合事象が無い事で安心。
納得とは、不適合事象が事前に分かる事で納得。
住宅診断とは、この二つを得る為の手段だと考えています。
◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊