2020/12/23
今回は、<床傾斜の計測機器として>についてお話をします。
床傾斜の計測機器には
デジタル水平器とレーザーレベルを使用する方法が有ります。
それぞれのメリット・デメリットが有りますが
住宅診断に於いての床傾斜の計測は
レーザーレベルが正確と考えます。
しかし
既存住宅瑕疵保険加入の為の検査方法は
瑕疵保険法人によって違います。
一方はデジタル水平器でOKの場合が有り
もう一方はレーザーレベルでないとダメと
いう瑕疵保険法人が有ります。
デジタル水平器の方が
検査に通り易いと考える人がいますが
計測場所によってはアウトになる場合が出ます。
また
デジタル水平器の場合は
計測する人によっても大きく数値が変わる場合が有ります。
それは何故かと言いますと
デジタル水平器は一般的に計測で使用する長さは60cmの物を使用します。
つまり
床の部分的な凹凸を拾い易いので
人によって数値が大きく変わります。
一方
レーザーレベルの場合は
人によって1㎜前後の数値の違いが出ますが
それは
レーザーの光の線が1㎜程有る為から来るものです。
上記のチェック表を見て下さい。
部屋ごとに計測した数値を記入していますが
最大高低差が、8㎜(45と37)の箇所が有りますが
その計測間距離は2.46mですので
3.2/1000の傾斜で問題は有りません。
(瑕疵の有無の判定をする場合は
計測間距離の目安は3mを基準にしています。)
この建物の床の傾斜を
他のインスペクターがデジタル水平器で計測して
左上の部屋の床の傾斜が6/1000以上有ると
既存住宅状況調査の調査報告書に記載していました。
チョット首を捻りたくなりますね。
例え60cmのデジタル水平器で計測したからといって
6/1000以上は出ないと考えます。
実際に使用している写真を見ますと
150cmのデジタル水平器を使用しています。
ここで悔いが残るのは
その部屋の左右の壁の真ん中の床レベルを計測していない事です。
計測していない所に6/1000以上有ったかもしれないですが
計測間距離を3mと考えた場合は
床傾斜判定基準に照らし合わせると
問題無しになります。
この様に悔いが残る事が有るので
6帖の部屋の場合は9か所計測する事を基本にしています。
今回の纏めとして
床傾斜の計測方法は
レーザーレベルで実施し
例えば6帖の部屋の場合は
計測箇所を9か所とすれば
床計測に関しては完璧と考えます。
今回は、これで終わります。
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「Y&Y住宅検査」が お客様に提供させて頂くサービスとは、
ただ単に不適合事象の有無を調査するのではなく、
もし不適合事象が有れば、
その原因をより詳しく目視の範囲内で追及し、
不同沈下などの傾きが有れば、
建物全体の傾きなどの傾斜傾向を図面にて表現する事で、
より分かり易く建物の現況を報告書に纏め、
お客様が、安心・納得して購入する事が出来る様に
説明するサービスを提供させて頂いています。
ここでの「安心・納得」とはどの様な意味なのかと言いますと、
安心とは、不適合事象が無い事で安心。
納得とは、不適合事象が事前に分かる事で納得。
住宅診断とは、この二つを得る為の手段だと考えています。
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