2020/12/25
今回は、<住宅診断って何?②として>についてお話をします。
住宅診断の定義とは何だろう?
この事を
平成25年6月に国土交通省が策定した
「既存住宅インスペクション・ガイドライン」から
前回と同じ様に考えてみます。
今回は
既存住宅現況検査(状況調査)についてです。
既存住宅現況検査(状況調査)の内容が記載されている
下記資料2についてお話をします。
既存住宅現況検査(状況調査)の
基本的な考え方としての
現況検査(状況調査)の内容を枠の中に書いています。
最初の黒丸には
ひび割れ、欠損などの劣化事象の状況を
目視を中心とした非破壊調査により把握し
その結果を依頼主に対し報告する事である。
と書いています。
これは、基本的な考え方だから良しとして
問題なのが
次の黒丸の中の①、③、④です。
現況検査(状況調査)には
下記4項目の内容を含む事を要しないと書いています。
①の瑕疵の有無を判定する事。
②住宅の保有する性能を判定する事。
③建築基準法関係規定などの違反の有無を判定する事。
④設計図書との照合を行う事。
上記4項目の中で
①、③を実施しなければ
私の考える住宅診断とは
全く違うインスペクションという事になります。
依頼主が安心して購入する為に必要な項目が無い
既存住宅現況検査(状況調査)は
誰の為の
何の為のインスペクションなのでしょうか?
枠下の補足の二番目に
上記4項目は
依頼主の意向等に応じて
インスペクション業務に付随して
サービスを提供する事が考えられる。
と書かれています。
これって何?
要するに
オプションとして
依頼が有れば実施するという考えの様ですね。
インスペクションの事を少し勉強している依頼者で有れば
オプションとは
床下・屋根裏に入っての調査がオプションと考えています。
それ以外にオプションが有るとは考えていないです。
依頼主は
上記4項目全部とは言わないまでも
①、③は標準で実施する内容と考えていますので
劣化事象の有無だけの報告を受ければ
やはり中古住宅は
ひび割れなどが有るんだな。
で終わってしまいます。
その次のステップで劣化事象を直す為の
お金の算段をして
契約の運びになるのでしょうね。
これではただ単に
既存住宅現況検査(状況調査)は
劣化事象の補修の為の金額を計算する為であって
この中古住宅を購入しても安心・安全なのか?
と言う
最も大切な事が抜けています。
これって可笑しいと思いませんか?
今回は、これで終わります。
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「Y&Y住宅検査」が お客様に提供させて頂くサービスとは、
ただ単に不適合事象の有無を調査するのではなく、
もし不適合事象が有れば、
その原因をより詳しく目視の範囲内で追及し、
不同沈下などの傾きが有れば、
建物全体の傾きなどの傾斜傾向を図面にて表現する事で、
より分かり易く建物の現況を報告書に纏め、
お客様が、安心・納得して購入する事が出来る様に
説明するサービスを提供させて頂いています。
ここでの「安心・納得」とはどの様な意味なのかと言いますと、
安心とは、不適合事象が無い事で安心。
納得とは、不適合事象が事前に分かる事で納得。
住宅診断とは、この二つを得る為の手段だと考えています。
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