2021/03/08
今回は、<既存住宅瑕疵保険適合住宅は安心?>についてお話をします。
最初に
瑕疵保険の対象となる部分(基本構造部分)とは
住宅の品質確保の促進等に関する法律
及び同法施行令で定められた
柱・基礎等の構造耐力上主要な部分
外壁・屋根等の雨水の浸入を防止する部分
を指し
この基本構造部分の瑕疵が保険の対象となります。
この既存住宅瑕疵保険に加入する為の
劣化事象の有無などの検査が
既存住宅瑕疵保険加入の為の検査です。
この検査は
基本的に
「建物状況調査」と同じ内容です。
つまり
柱・基礎等の構造耐力上主要な部分
外壁・屋根等の雨水の浸入を防止する部分
に各瑕疵保険法人が
独自の検査基準、検査方法に当て嵌めて
劣化事象の有無を検査します。
それに適合した中古住宅が
瑕疵保険に加入できるのです。
ここで再度繰り返します。
「劣化事象の有無の検査」ですよ!
例えば
基礎のひび割れで有れば
判定基準の0.50㎜以上有れば
そのひび割れ幅と位置を記入するだけです。
0.49㎜で有れば記入しなくて良いのです。
ただし
0.50㎜以上有れば瑕疵保険の検査に合格しないので
合格する為には
ひび割れの表面をシーリングで補修すれば合格します。
また
そのひび割れの原因が
不同沈下によるひび割れなのか
ただ単に収縮によるひび割れなのかは
関係ないのです。
これが既存住宅瑕疵保険の
加入の為の検査の基本的な考え方です。
面白い?のは
床の傾斜計測は
判断基準6/1000以上有るか無いかを検査しますが
ある瑕疵保険法人は
デジタル水平器で3回計測して
その平均値が6/1000未満で有れば問題無しで
既存住宅瑕疵保険の検査に合格です。
他の瑕疵保険法人は
レーザーレベルで傾斜を測定し
一か所でも6/1000以上有れば
その時点で不合格です。
この事を
他の言い方で言い換えますと
ある瑕疵保険法人の検査には不合格でも
こちらの瑕疵保険法人の検査には合格になるという事です。
この事からも
?????ってなりませんか?
何が言いたいかと言いますと
既存住宅瑕疵保険に適合した住宅が
何をもって安心なのか?
って事です!
私見として
基礎のひび割れとか床の傾斜の原因が
実際は
明らかに不同沈下をしている住宅で有っても
加入の為の検査に合格すれば
既存住宅瑕疵保険の適合住宅として
色々なメリットを受ける事が出来ます。
構造的な瑕疵及び雨漏りなどの瑕疵が出なければ
それが安心なのでしょうか?
国土交通省の考えは
それが安心なのだと言い切っていますね!
しかし
検査基準では適合かもしれないが
実際の建物は不同沈下をしているのです。
これって
安心と言うのだろうか?
例えば
床の傾斜計測値が
検査した時点では
6/1000未満だったとします。
もし
引っ越し後に
6/1000未満が
10/1000になったとしても
保険は
床の傾斜に対しては降りませんよ!
床の傾斜に保険が降りるのではなく
床が10/1000になった為に
何か雨漏りとか構造的な被害が出ない限り
保険は降りません。
保険は
二次的な被害に対して
それも
構造と雨漏りの被害だけしか
保険の対象では有りませんよ!
今日の纏めとして
既存住宅瑕疵保険の適合住宅は
住宅ローン減税などのメリットは有りますが
建物自体が
安心と考えていたら
それは大きな間違いですよ!
何でもかんでも
瑕疵が発見されれば
保険が降りるのでは有りませんよ!
今回は、これで終わります。
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「Y&Y住宅検査」が お客様に提供させて頂くサービスとは、
ただ単に不適合事象の有無を調査するのではなく、
もし不適合事象が有れば、
その原因をより詳しく目視の範囲内で追及し、
不同沈下などの傾きが有れば、
建物全体の傾きなどの傾斜傾向を図面にて表現する事で、
より分かり易く建物の現況を報告書に纏め、
お客様が、安心・納得して購入する事が出来る様に
説明するサービスを提供させて頂いています。
ここでの「安心・納得」とはどの様な意味なのかと言いますと、
安心とは、不適合事象が無い事で安心。
納得とは、不適合事象が事前に分かる事で納得。
住宅診断とは、この二つを得る為の手段だと考えています。
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