2021/04/07
今回は、<屋根断熱材の屋根通気として>についてお話をします。
以前(2年前)
新築各工程検査を実施した注文住宅は
屋根断熱材を使用していて
屋根通気の施工はしていたと考えます。
下記資料(ポンチ絵)を見て下さい。
上記のポンチ絵は
屋根通気の空気の流れを
分かり易く書かれています。
で
丸で囲った部分を見て下さい。
屋根タルキの突き付け部分が
「Vの字」に開いていて
ここを屋根通気が通って
棟換気から外へ出る様になっています。
これに関しては
何も言う事は有りません。
問題は
妻側外壁通気の排気はどうなっているか?と
その現場監督に聞いた時
妻側前面の外壁通気は
この「Vの字」の開口から
棟換気に流れて外に出るとの事。
それはそれで
その考え方は間違いではないし
排気の事も理解していたので
その時は
それ以上は
突っ込んで聞きませんでした。
しかし
昨年、民法改正になりました。
もし
「Vの字」のたった1か所だけで
妻側外壁面全面の外壁通気を
その面積だけで問題が無いのか?
無いのであれば
その根拠は?って
買主から聞かれた場合
答えられますか?
例えば
5寸勾配の切妻屋根で60㎜の屋根タルキを使用していた場合
その「Vの字」部分の開口面積は
約18センチ平方メートル
2cm × 9cm の大きさです。
この面積で
妻側外壁面の通気を
外壁内を結露させずに通気が出来るのか?
小屋根裏換気では
計算式で換気口面積を算出します。
妻側外壁面の面積が
5.46m × 6.00m =327600cm2の場合
棟排気換気で一番少ない面積計算の係数では
その床面積の1/1600が有ります
この係数を当て嵌めて計算した場合
327600 × 1/1600 ≒205cm2の開口面積が必要です。
これを例にとった場合
18cm2 が如何に少ない面積か見当が付くと思います。
もし
この事案で買主から
この例を挙げられた場合
果たして
すんなりと買主が
分かったと言ってくれる反論が出来ますか?
という事で
昨年
民法改正になりましたので
争い事になるかも知れない案件は
前もって無くしませんか?
外壁妻側に
外壁通気排気口金物を設置するだけで
揚げ足を取られる事は無いのです。
是非
妻側にも外壁通気排気金物を
見える形で設置しませんか?
今回は、これで終わります。
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