2021/07/10
このブログは
住宅診断及び住宅設計を通して知り得た情報を
住宅診断の一環として
住宅を購入または計画中の方が
泣き寝入り(又は後悔)しない様に
注意喚起の為にアップしています。
今回は、<外壁合板下地は要注意?>についてお話をします。
新築分譲住宅を考えている方は
外壁下地に針葉樹合板とか
良く使用されるダイライト(商品名)を使用している場合は
外壁内結露が発生する可能性が考えられますので
契約する前に確認をして下さい。
外壁内なので
1年とか2年では
結露が原因による
劣化症状は出て来ないでしょうね!
もし
外壁通気構法の排気口金物を設置していなかった場合は
案外早く
何らかの事象が出るかも?
って
やっぱり出ないかな?
では本題に入ります。
5月23日のブログの
の中に
外壁下地にダイライトを使用しているハウスメーカー
または工務店が増えているような気がする。
という内容を書いています。
で
今回たまたま
外壁通気内の結露の事を調べていたら
外壁下地にダイライトなどを張った場合
気象条件及び室内の温度・湿度によって変わりますが
外壁内の断熱材及びダイライト付近に
結露の可能性が有るという資料が有ったので
私なりに
検証してみました。
広島県気象情報の下記資料から
1月の10年間の平均温度(2°)と相対湿度(66%)を
内部結露判定シートのエクセル計算表の中に入れたのが
下記2枚目、3枚目の資料です。
2枚目の資料の
断熱材(HGW16K)からダイライトにかけて
判定がNGになっています。
つまり
結露をする可能性が有るという事です。
3枚目の資料は
判定が全てOKになっています。
何故OKになったかと言いますと
断熱材とPBとの間に防湿フィルムを入れた計算をしたのです。
この防湿フィルムとは
防湿気密シートで
一般的には
高断熱・高気密の住宅を
施工する時に入れる気密シートの事です。
ここでの環境設定内の数値は
室外については
広島県の10年間の気象情報の数値ですが
室内については
一般的な冬に設定すると考えられる
温度と湿度の数値を入れてみました。
ここで
防湿気密シートを入れないで
湿度を変えて色々と試算してみた結果
相対湿度を45%にした場合は
ダイライト部分だけがNGになり
相対湿度を40%した場合はOKになりました。
一般的に言われている事で
インフルエンザなどのウイルス感染予防には
室内の温度を20°~25°
室内の湿度を50%~60%
を保つ事が推奨されていますが
色々な文献によって温度は違いますが
湿度の方は同じ場合が多いようです。
で
話を最初の方に戻して
もし
購入しようと考えている建物が
ダイライト又は合板下地などで
かつ防湿気密シート無しの建物の場合
この場合の対応策は
何も有りません。
しいて言えば
室内の温度を上げない事ですかね。
室温を22°以上には上げない。
これは
あくまでも下記結露計算シートでの事ですので
実際は
色々な状況が重なりますので
結露しない場合も考えられます。
今回の纏めとして
外壁下地にダイライトを使用しているので
耐震的に丈夫ですよ!って言う
営業マンの販売トークには引っ掛からない様に要注意です!
まず
分譲住宅で外壁の「結露計算」を実施している可能性は
ゼロと考えますが
念の為に(無駄とは思いますが)
「結露計算」をされていますか?
って聞いて見て下さい。
計算していれば
外壁内結露に対しての対応策を聞けると思います。
していなければ
適当な返事で誤魔化すでしょうね!
因みに
外壁内結露が原因による
外壁内のカビの発生及び下地材の腐朽は
瑕疵保険の免責になりますので
保険は降りません!
今日の内容は参考になりましたでしょうか?
今回は、これで終わります。
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「Y&Y住宅検査」が お客様に提供させて頂くサービスとは、
ただ単に不適合事象の有無を調査するのではなく、
もし不適合事象が有れば、
その原因をより詳しく目視の範囲内で追及し、
不同沈下などの傾きが有れば、
建物全体の傾きなどの傾斜傾向を図面にて表現する事で、
より分かり易く建物の現況を報告書に纏め、
お客様が、安心・納得して購入する事が出来る様に
説明するサービスを提供させて頂いています。
ここでの「安心・納得」とはどの様な意味なのかと言いますと、
安心とは、不適合事象が無い事で安心。
納得とは、不適合事象が事前に分かる事で納得。
住宅診断とは、この二つを得る為の手段だと考えています。
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