2021/07/07
このブログは
住宅診断及び住宅設計を通して知り得た情報を
住宅診断の一環として
住宅を購入または計画中の方が
泣き寝入り(又は後悔)しない様に
注意喚起の為にアップしています。
今回は、<同じ耐震等級3でも強度が違う?>についてお話をします。
耐震等級には
色々種類が有る事は知っていましたか?
因みに
耐震等級で一般的に言われている基準は
2階建以下の木造住宅の建築確認申請時の耐震性能が
耐震等級1と言われています。
この耐震性能は
仕様規定で計算されていて
許容応力度計算による耐震等級1とは違います。
この話だけでも
こんがらがってしまいそうなので
整理してみます。
①仕様規定:壁量計算・四分割法・N値計算などで計算
2階建て以下の木造住宅に必要
②性能表示計算:品確法に基いた簡易計算
長期優良住宅・性能評価住宅に必要
③構造計算:許容応力度による詳細計算
3階建ての木造住宅には必要
まず
上記①、②、③を整理して下さいね!
次が大変ややこしくなります。
では行きます
②の性能表示計算には耐震等級1~3が存在します。
③の構造計算にも耐震等級1~3が存在します。
で
普通に考えてみると
②の耐震等級3と③の耐震等級3は
同じ強さと思いますよね!
これが違うのです!
強度ランクに弱い順に並べてみると
・仕様規定 ・性能表示計算耐震等級1
・性能表示計算耐震等級2
・構造計算耐震等級1
・性能表示耐震等級3
・構造計算耐震等級2
・構造計算耐震等級3
になる様です。
つまり
長期優良住宅や性能評価住宅の耐震等級3は
構造計算の耐震等級2よりも
強度ランクが低いという事になります。
この事から
7月6日のブログ
新築住宅を建てるなら耐震等級3で!
の最後の方に書いた
耐震等級3相当とは
性能表示耐震等級3も含まれていたのでしょうね!
であれば
構造計算による耐震等級2は安全か?と言えば
そうとも言えないのです。
熊本地震で話題になったのが
耐震等級2の住宅が倒壊していた事です。
この耐震等級2は
性能表示の耐震等級2なのか
または
構造計算の耐震等級2なのかは分からないのですが
1階部分が完全に倒壊していたのです。
絶対に倒壊しないと思われていた
耐震等級2が倒壊したので
専門家の調査の結果
「直下率」の低さが倒壊した原因の一つではないか?
と見解が出されたのです。
倒壊した住宅の直下率は下記の通りです。
柱の直下率が47.5%(目標値60%以上)
耐力壁の直下率が17.8%(目標値50%以上)
だったことが判明しています。
この事から考えてみると
私見ですが
住宅を設計する建築士として
柱の直下率は
無理やり何とかして50%近くまで行けるかな?
60%近くまでは・・・・。(´;ω;`)ウッ…
耐力壁の直下率は
50%近くまで持って行く事は
ホント
大変難しいと考えます。
という事で
直下率も含めて安全と考えられる
構造計算による耐震等級3の住宅を建てましょう!
今日のブログは、参考になりましたでしょうか?
今回は、これで終わります。
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「Y&Y住宅検査」が お客様に提供させて頂くサービスとは、
ただ単に不適合事象の有無を調査するのではなく、
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ここでの「安心・納得」とはどの様な意味なのかと言いますと、
安心とは、不適合事象が無い事で安心。
納得とは、不適合事象が事前に分かる事で納得。
住宅診断とは、この二つを得る為の手段だと考えています。
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