2021/07/25
このブログは
住宅診断及び住宅設計を通して知り得た情報を
住宅診断の一環として
住宅を購入または計画中の方が
泣き寝入り(又は後悔)しない様に
注意喚起の為にアップしています。
今回は、<バルコニー床立上り部分の納まり>についてお話をします。
今から新築分譲住宅の購入を考えて
新築分譲住宅を見に行った時は
見逃しやすい箇所ですが
必ず下記写真部分を確認して下さいね!
今日のお話は
外壁通気構法及び雨水浸入防止に関する
少しマニアックな?お話です。
下記の
資料図面は
基礎土台部分の納まり図ですが
外壁サイディングと水切り金物との取合いが
良くわかる資料なので使用しています。
この資料で良く見て頂きたい箇所は
基礎上の水切り金物とサイディングとの空きが
10㎜~15㎜と明記しているのが分かりますでしょうか?
外壁通気層の厚さが最低15㎜ですので
外壁通気層の入り口の空きは
10㎜~15㎜の空きが必要という考え方が
普通と考えますので
今日は
この事を前提にしたお話をします。
下記1枚目の写真は
外壁サイディングとFRP防水の取合い部分に
水切り金物が設置されておらず
見た目はスッキリとした納まりで
綺麗に見えますが
外壁通気構法を遵守していない可能性が
大変高いです。
つまり
外壁通気の為の入り口部分の空きが
10㎜以上無いのです。
部材構成を考えた場合
広くて4㎜空いていれば良い方です。
下記写真は
上記資料の外壁と水切りの納まり図に
準じた納まりで
水切り金物を設置した施工をしています。
下記資料は
フラット35対応の
木造住宅工事仕様書から拝借した資料で
水切り金物廻りの納まりが分かります。
上記資料で
良く見て頂きたい箇所は
左中央付近の
水切り金物とシーリングと記載している部分の納まりです。
水切り金物の上に
両面テープで防水透湿シートを張る事で
☝ 資料には記載していないが必須!
外壁通気の入り口を確保し
水切り金物の下部とFRPとの取合いに
シーリングを打つ事で
雨水浸入を防いでいます。
これが基本の納まりと考えて下さい。
で有れば
最初の写真の
水切り金物が無い場合は
部材構成上の計算で最大4㎜の空きは
外壁通気を取る為ではなく
ただ単に施工上のすき間と考えます。
4㎜有れば全然無いよりは良いのですが
実際は
殆どが塞がっている場合が多いですね!
それとは別に
雨水浸入はどの様に考えているのでしょうか?
両面テープで
防水透湿シートは貼っていると思いますが・・・・。
それでも
防水的に考えると弱いですね!
唸ってしまいますね!
今日の纏めとして
バルコニーの外壁サイディングと床FRP防水との
取合い部分の納まりは
水切り金物の設置が無ければ
外壁通気構法と
雨水浸入防止措置の両立は
大変難しいと言うよりは
防水的には
基本の納まりよりは弱いですね!
今日の、お話は参考になったでしょうか?
今回は、これで終わります。
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「Y&Y住宅検査」が お客様に提供させて頂くサービスとは、
ただ単に不適合事象の有無を調査するのではなく、
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ここでの「安心・納得」とはどの様な意味なのかと言いますと、
安心とは、不適合事象が無い事で安心。
納得とは、不適合事象が事前に分かる事で納得。
住宅診断とは、この二つを得る為の手段だと考えています。
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