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住宅診断で「基礎」の何を調査するのか?

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今回は、ホームインスペクション(住宅診断)で外部から「基礎」を調査する場合、

基礎の何処の何を、どの様に、調査して行くのかを、実例の写真で説明していきます。

調査する項目として

以下の項目意外にも有りますが、実情に即した項目です。
◆ひび割れ  (クラックスケール、ピアノ線を使用)
◆モルタル仕上げ部分の浮き、劣化による剥落  (打診棒、点検鏡を使用)
◆ポップアウト現象  (目視による)
◆苔、カビの発生の有無  (目視による)
◆床下換気口が塞がれていないか  (目視による)
◆白樺現象  (目視による)


◆ひび割れについて
①ひび割れの幅をクラックスケールで計測します。

「既存住宅瑕疵保険加入の為の検査」及び「建物状況調査」では、ひび割れ幅0.50mm以上の有無を調査対象にしていますが、

私共の「住宅診断」では、0.30mm以下(ヘアークラック)の調査も実施し、報告書に記載しています。

②ひび割れの深さをピアノ線で計測します。

既存住宅瑕疵保険加入の為の検査では床下に入っての詳細調査をしませんので、

基礎コンクリート自体のひび割れの有無を知る為に、ピアノ線をひび割れに挿して、

約20mm近くまで入った場合は、コンクリート自体にひび割れが有ると判断します。

ただし、そのひび割れが基礎を貫通しているかどうかは、床下に入って調査をしないと分かりません。


※私見として、構造的に建物に瑕疵をもたらすひび割れは、

基礎を貫通しているひび割れと考えていますので、

床下に入ってのひび割れの調査を伴わない

「既存住宅瑕疵保険加入の為の検査」及び「建物状況調査」は、

何の為のインスペクションなのか?

これは、瑕疵保険法人の為のインスペクションで有って、お客様の為のインスペクションでは有りません。

ただ単に、インスペクションもどきのパフォーマンスをしただけで、お客様を騙しているのと同じ行為と考えています。


蛇足として、ひび割れの補修方法の例

・【ひび割れ幅0.30mm未満:シール工法】
ひび割れ部分から主に雨水の浸入を防止する簡易な補修方法で、仕上がり具合に難が有ります。

・【ひび割れ幅0.30mm以上1.00mm未満:樹脂注入工法】
エポキシ樹脂をコンクリート内部にまで浸透させ、健全なコンクリートと同等の性能(強度以外)まで復元する工法。

・【ひび割れ幅1.00mm以上:Uカットシール材充填工法】
挙動するひび割れに対し、エポキシ樹脂注入で補修すると、また新たなひび割れの発生が懸念される場合に適用。


◆モルタル仕上げ部分の浮き、劣化による剥落について
①打診棒の先を転がすように当てながら基礎表面の浮きの有無を調査して行きます。

この時は同時に点検鏡で基礎と外壁の取合い部分の隙間なども調査します。

②劣化による剥落の写真として

◆ポップアウト現象について
簡単に説明すると、鉄筋のサビによって、コンクリート、モルタルが欠損(爆裂)する現象です。
①ポップアウト現象の写真として

この写真の様な爆裂は、滅多に確認する事が有りません。

②良く見かける写真として

◆苔、カビの発生の有無として
主に日当たりの余り良くない箇所に発生します。
①苔、カビの発生の写真として

◆床下換気口が塞がれていないかとして
外にスチール製の物置や、増築によって床下換気口の役目である、床下の空浮きの循環を阻害する事で、

床下に湿気が溜まり、カビの発生やシロアリの侵入を助長する原因となります。

①スチール物入れによって二つの床下換気口を塞いでいる写真として

②増築によって床下換気口を塞いでいる写真として

◆白樺現象として
モルタル表面の白樺については、それ自体の事象は瑕疵として私としては考えていませんので、

白樺現象は、モルタルの劣化事象と複合した場合が多いので、劣化による剥落の所に入れています。

①モルタル表面の白樺の写真として

今回は、これで終わります。