2018/04/02
今回は、宅建業法改正に伴う「建物状況調査」の今後の課題について、お話をして行きます。
先日、フェースブックで、下記の内容で投稿してみました。
(だれか教えて!
建物状況調査の結果の概要の中で、基礎の所に劣化事象が有るにチェックが入っていた場合です。
引渡し後に、その劣化事象が原因で床が傾斜したらどうなるのでしょうか?
説明を受けているから瑕疵ではなくなりますよね。
買主の自己責任になるのでしょうか?
もしそうなるのであれば、
重要事項説明時の宅建士の責任はとても大きいですね。
やはり、
「建物状況調査」は売主サイドの為の施策という事になるのですかね。)
当たり前の事を何故投稿したのか?
批判が出てくる事は百も承知の上です。
買主の自己責任になる事も承知で投稿しました。
皆さんは、この文章の裏に隠れている、私が伝えたかった事がお分かりになるでしょうか?
最初の反応は、やはり何をバカな事を・・・・・・・・・でした。
それに対して、色々と意見を出てきた最後に、私が伝えたかった下記の内容をぶつけてみました。
(劣化事象の欄に無しのチェックが入っていて、備考欄に判定基準未満の数値が記入されている場合の箇所は、双方の立会の確認をするのかしないのかを知りたいのですが。)
その回答の一つが下記の内容です。
(不具合無しで終わりです。
確認するのは不具合がある箇所をお互いに確認するだけです。)
これが、宅建士の回答です。(宅建士の業務は遂行されていますので、業務違反では有りません)
インスペクションの判定基準は下記の通りです。
・床・壁の傾斜は、6/1000以上が有るかどうか
・ひび割れは、0.5mm以上が有るかどうか
例えば床の傾斜が5/1000を何箇所か確認していても、
また、備考欄に記入していても
「建物状況調査」の劣化事象の欄には、無しにチェックされている箇所は双方の確認はせず、
「建物状況調査」の劣化事象の欄には、有りにチェックされている箇所だけを
買主・売主双方が確認をする事になります。
備考欄に書かれている所までは説明しない可能性がとても高いのです。
これが、「建物状況調査」の今後の課題①として、今回お話をしたかった一番の内容です。
※瑕疵の可能性が十分疑われると思われる箇所でも、判定基準未満で有れば何も記載されないという事です。
良い、悪いに関わらず、
今回の宅建業法改正で決められた(「建物状況調査」の結果の概要)なのです。
蛇足として
このコラムにも何回か載せていますが、床の傾斜の測定方法は統一されていません。
既存住宅瑕疵保険検査基準の測定方法も、保険法人によりまちまちです。
床の傾斜は、計測する建築士の意思で6/1000未満にする事は可能なのです。
劣化事象が有っても無しにする事が出来るのです。
これが、大きな問題と私は考えています。
これが、売主と建築士の癒着の根源になって来るでしょう。
結論として
建物状況調査を実施する建築士のインスペクションに対する経験が有る無しに関係無しに
建物状況調査の結果の概要の劣化事象の「有る」「無し」などのチェックを入れて行きます。
それを、宅建士及び買主は信用して契約の運びになります。
とても恐ろしい事だと思いませんか?
買主様は、売主サイドの「建物状況調査」を鵜呑みにするのは、危険極まりない事です。
買主サイドの自己責任で経験豊富な建築士に「住宅診断」を依頼して下さい。
そうすれば、安心・納得して中古住宅の購入が出来ると思います。
今回は、これで終わります。