2018/04/07
今回は、これからは「住宅診断」が必要になる事についてお話をして行きます。
「建物状況調査」は買主サイドに有益性無し
■理由として
「建物状況調査」は、劣化事象の有無を調査するだけであって、その劣化事象の原因を調査する事はしない。
簡単に分かり易く説明すると、
例えば、東西の基礎の面にひび割れ0.50ミリ以上が確認されたとします。
「建物状況調査」の場合は、報告書の「基礎」の劣化事象欄に、「有る」の箇所にチェックが入るだけです。
その基礎の0.50ミリ以上が東西の面に入っている事から想定される、その他の瑕疵の可能性を調査しないのです。
これが「建物状況調査」なのです。
買主サイドにとって、費用対効果が期待できるインスペクションではない事が理解出来ると思います。
では「住宅診断」はどうでしょうか?
私が実施する「住宅診断」の場合は、下記の様に調査して行きます。(あくまでも目視の範囲)
最初に不同沈下の可能性を考慮して建物の近くに高い法面の有無を調べます。
そして、その東西にラインに沿って、床の傾斜が発生していないか?
床下に入っての調査の時に、東西のラインに沿って地割れがしていないか等の
基礎のひび割れから考えられるその他の劣化及び瑕疵の有無を調査して行きます。
その調査をする事で初めて、そのひび割れの原因が判別できるのです。
これが「住宅診断」なのです。
ここ迄する事で、リフォーム費用など、購入後のメンテナンスの為の資金計画を弾き出す事が出来ます。
この「住宅診断」の判別を導き出す為には、
やはり「住宅診断」の実績と経験が無いと大変難しいと考えます。
この実績と経験が有って初めて「住宅診断」が出来るのです。
たった一つの例を挙げただけでも、
「建物状況調査」と「住宅診断」の基本的な考え方の大きな違いが有るという事が理解されたと思います。
結論として
恐らく、民法改正が実施される2年後までには、
買主サイドの方も、「建物状況調査」の無益性に気付き、
買主サイド主導の「住宅診断」の有益性、必要性が理解されると考えています。
それまでは、微力ながら「住宅診断」の有益性、必要性の普及に努めて行きます。
このコラムを読まれた方は、
おそらく「住宅診断」の有益性、必要性を理解された事と思いますので、
お知り合いの方にも「住宅診断」の有益性、必要性をお伝え下さい。
今回は、これで終わります。