2018/04/11
今回は、<後悔しない中古住宅購入の為にする事とは?>についてお話をして行きます。
写真 : 新築住宅の引渡し前「住宅診断」床下調査にて
宅建法改正に伴うインスペクション業者斡旋の義務化がスタートしました。
今一番話題に登っているインスペクションに関する項目が二つ有ります。
①「建物状況調査」
②「安全R住宅」
この二つです。
どちらも中古住宅流通促進の為に、国土交通省が肝いりで策定したものです。
そもそもの事の成り立ちは、
空家住宅問題を解消する為に、
中古住宅流通促進をする為に考えられた施策が「インスペクション」だったはずです。
それをまとめた施策が、
平成25年6月に施行された「既存住宅インスペクション・ガイドライン」だったのです。
しかしその内容は、結果的には中古住宅流通促進の為とはとても言い難い内容になっています。
どちらも売主側(不動産業者、買取再販業者、リフォーム業者)の為の施策の様に思われます。
何故、言い切れるのか?
①の「建物状況調査」の報告書を見れば直ぐに判ると思います。
ただ単に、例えば判定基準が有るひび割れと床・壁の傾斜に関して説明しますと、
ひび割れに関しては、0.50mm以上のひび割れの有無と場所を記入しているだけ。
このひび割れがどんな原因でひび割れているのか?
今後このひび割れはどうなるのか?
このひび割れの補修は早期に補修すべきなのかなど、
買主側にとっての知りたい情報がありません。
床・壁の傾斜に関しても、6/1000以上の傾斜の有無と場所を記入しているだけ。
その傾斜の原因が何なのか?
今後、この傾斜はどうなるのか?などが記入されていません。
傾斜に関して一番問題なのは、不同沈下の有無の項目が無い事です。
尚且つ、
既存住宅瑕疵保険の検査基準で測定方法で調査しますので、
6/1000の判定基準は、殆どクリアして、問題無しになってしまいます。
これは、大きな問題と思います。
この「建物状況調査」を元に、リフォーム工事をして売り出すのが 「安全R住宅」 なのです。
如何ですか?
劣化事象の原因までを報告すれば、中古住宅が売れなくなると思っているようです。
これでは、買主様サイドが安心して中古住宅を購入できるインスペクションでは有りませんね。
解決方法として
それでは、どうすればより安心して中古住宅が購入できるのでしょうか?
「住宅診断」の実績と経験を多く積んでいるインスペクション業者を探して、
床下・屋根裏に入っての調査を含めた「住宅診断」を依頼して下さい。
ここで注意が必要です。
インスペクション業者の中に、「建物状況調査」と「住宅診断」の違いが判らない業者がほとんどです。
依頼される時に確認する方法として、 「劣化事象の原因も調査・報告してもらえますか」 と聞いて下さい。
返事が、 「します」 と言い切る業者に依頼すれば、少しは安心です。
「住宅診断」とは
劣化事象の原因までを、目視で判る範囲で劣化事象の原因を調査し報告する事です。
「建物状況調査」は、ただ単に劣化事象の有無を調査し報告するだけで、
買主様サイドが知りたい情報(劣化事象が今後どうなるのか?早期に補修する必要が有るのか?など)が有りません。
今回は、これで終わります。