2018/05/04
今回は、中古住宅を購入する時の注意点その四として、サッシ及び木製建具の開閉チェックをする事で、
床の傾斜が予測出来るお話を、実例の写真を混じえながら説明してみます。
■写真①
敷居及び鴨居に扉の擦った跡が確認できます。
後から床の傾斜を計測したら、この敷居の両端の床の傾斜が8mmの高低差が有りました。
■写真②
敷居に扉が擦っている事が確認できます。
下記図面は、床の傾斜を計測したチェック図です。
これで判る事は、
扉が敷居又は鴨居に擦って開閉しにくい場合で、丁番に異常がなかった場合は、
床に傾斜が存在する確率は相当高いと判断しても良いと考えられます。
この写真の事象の原因として考えられる事は、
上記チェック図に赤丸をしている柱の下に1階の柱が無い事が原因と考えられます。
次は、柱と建具との上下の隙間で何が判るか?という事を説明します。
■写真③
この写真は1階和室広縁の内障子です。写真の内障子の右下にすき間が確認できます。
この場合に考える事は、柱が傾いているか?又は敷居が下がっているかを想定します。
ここの場合は、柱が5/1000の傾斜が有り、敷居には異常は有りませんでした。
ピンと来ないと思いますので言い換えますと、この内障子の下側に9mmの隙間が有るという事です。
柱に傾斜が無かった場合は、敷居に傾斜が有る事になります。
参考までに、
「既存住宅瑕疵保険の加入検査基準」及び「建物状況調査」においては、
6/1000以上無いので、内障子の下側に9mmの隙間が有っても劣化事象は、問題 「無し」 になります。
これは、宅建業法改正に伴う 「建物状況調査」 が、買主サイドに誤解を与える不備の一つです。
「建物状況調査の結果の概要」 の中に記載されている 劣化事象の各項目の欄に
「無し」 の所にチェックがされていても安心では有りませんので、注意する事が必要です。
まとめとして
中古住宅を見に行った時には、必ず全てのサッシ及び建具を開閉して確認してみて下さい。
もし開閉に不具合が有る場合は、
買主様が自己責任で、床下・屋根裏に入っての調査を含めた 「住宅診断」 を依頼する事をお勧め致します。
今回は、これで終わります。